メリーゴーランド (ページ29)

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「大丈夫だよ。
ノートはちゃんと取ってあるから」

ノートを差し出したら、
神山くんが私を大げさに拝んでる。

「ありがとう！ほんまに感謝やわ。
これ新品のノートやん」

さっそくノートをパラパラめくって言う。

「うん。
ちょうど終わったから・・・」

さっき、購買で買ったばかりなのに、
なんとか誤魔化しちゃった。

「あれ？
これもしかして俺？」

イラスト見て、嬉しそうに笑う。

「うん。
あんまり気持ち良さそうに寝てたから、
似顔絵描いちゃった」

我ながらよく描けてる。

写真ないから、
これを大事にしたいなって思ってたんだけど。

「これ、俺にちょうだい」

神山くんが可愛いくお願いしてきた。

「うん、いいけど・・・」

なんかくすぐったい。

神山くんを今までよりすごく近く感じる。

「そろそろ帰ろか」

神山くんが筆記用具を片付け始めた時。

「あれ、神山くん、
この講義、出てたんだ」

階段を降りてきた女の子が神山くんに声をかけた。

またまたおしゃれな子だ。

神山くんの周りには綺麗な人が溢れてる。

意気消沈仕掛けてたら。

「ねぇ、その子、経済じゃないよね？
彼女出来たの？」

その子が神山くんにこそって耳打ちしたのが聞こえてきて、びっくりした。