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自分の気持ちをごまかした。
認めたくない。
神山くんに恋をしたって、
叶うはずもない。
遠いキラキラの世界の人とは、
私の生きてるこの世界はきっと交わらない。
遊園地に辿りつかなきゃ、
メリーゴーランドには乗れないの。
「ならええねんけど」
照史にまで嘘ついて・・・
自分の気持ちがいつか暴発しそうで、
本当はすごく怖い。
神山くんに会いたいな。
さっき別れたばっかりなのに思ってる。
遠くで見てるだけなら、
こんなに苦しくならなかったのに。
ダンスサークル、メリーゴーランドに入って、
もう二週間。
無邪気で明るいみなみがいるせいか、
すぐにみんなと打ち解けた。
誰も私が大学生じゃないなんて、
疑いもしない。
気付いたら神山くんとの距離もすごく近くなってる。
サークルの後、みんなで学食でご飯食べたり、
サークルのない日も、
重岡くんと二人で、
バイト先のカフェやドーナツ屋さんに顔出してくれたりする。
もうすっかり、友達、って言ってもいいと思うんだ。
自分も大学生になった錯覚に時々陥りそうになる。
ただ、マネージャーのりえちゃんとなみちゃんとだけは、いまだ深い隔たりを感じてる。
りえちゃんの私を見る目が鋭く感じるのは、
私に罪悪感があるせいなんだろうな。
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作者名:fool | 作成日時:2017年5月29日 11時