CHERRY. *sho sakurai* (ページ23)

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23.甘い魔法ページ23

翔クン、今日もテレビの収録だって言ってたけど、大丈夫かな。

ハードなスケジュールの上、寝不足だろうに…。

そう思った瞬間

浮かんで来た翔クンの寝顔。

綺麗な眉。

長いまつ毛。

ぷっくりした赤い唇…。

昨日のドキドキが蘇って、鼓動を抑えるように両手で熱い頬を押さえた。

ドン！

その時、
おしりに衝撃を受けて振り向くと

A「はるクン！」

はると「A先生！ここでずぅーっとなにやってんの？」

後ろから体当たりして来たらしいはるとクンがわたしを見上げて言った。

A「あ…、ゴメン、ゴメン。はるクンなんだっけ？」

気がつくと保育室の後ろでぼーっとしてたみたい…。

はると「みんなで折り紙するんでしょー？サンタさん♪」

そうでした…。

クリスマスに向けてサンタや星を折り紙で作ろうと後ろのロッカーに折り紙を取りに来たんだった。

赤い折り紙をみんなに配って

サンタクロースを折る。

・

今度は2人でご飯って…。

ホントかな。

そう言えば、翔クンってスマートな身のこなしのわりにたくさん頬張ってポトフを食べていたっけ…。

意外な一面だったな。

「先生まただぁ！」

子供たちの声に気がつくと

わたしの机の周りにたくさんの子供たちの顔。

「先生、今日は眠り姫だね。」

A「ね、寝てないよ～。」

でも、わたしの頭の中は甘い魔法にかかったように

すでに翔クンでいっぱいで…。

こんなんじゃいけないよね。

A「よしっ！みんな、まずはお外で遊ぼっか？」

冷たい風で火照った頭を冷ますように

みんなで元気よく外へ飛び出した。