CHERRY. *sho sakurai* (ページ21)

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21.クリームチークページ21

急いでお風呂からでてテレビをつける。

「よかった…。間に合った。」

コーヒーをいれて翔クンのお土産のカステラとテレビの前でスタンバイ。

暫くしてスーツ姿の翔クンがテレビの中で挨拶をした。

さっきと全然違う顔。

すごいな…。

この人がさっきまでココでわたしの作ったポトフを食べていたなんて信じられないけど。

番組が終わって30分ほどして

これからそちらに向かいます。

と、短いメールが来たから

起きてるので、大丈夫だよ。
気をつけて。

と、わたしも短いメールを送った。

でも、どうしよう。

わたし、すっぴんだよ！

こんな夜中にメイクしてるのもおかしいし、

でも…

悩んで悩んで

クリームチークで薄く頬を染めて、桜色のリップクリームを唇にのせる。

すっぴんだけど、顔色は悪くないよね。

ピンポン♪

しばらくしてインターホンがなった。

ロングのカーディガンを羽織って急いで玄関へ向かうとドアを開けた。

翔「こ、こら！ちゃんと俺だって確認して開けた？」

そこには、さっきと同じ深くかぶったキャップとPコートの翔クン。

わたしよりワタワタする翔クンが可笑しくてクスクス笑うと

翔「いやいや、笑い事じゃないから。俺じゃなかったら大変だよ。」

メッと言うように怒られた。

A「ごめんなさい(笑)」

わたしもちょっと肩をすくめて後ずさると翔クンも玄関へ入って最初に来た時と同じに後ろ手に玄関のドアを閉めた。

A「はい。これ。」

翔クンの忘れ物、ナイロン製のケースを渡す。

翔「ホント…、ゴメンね。ありがとう。」

ナイロン製のケースから視線をわたしの顔辺りに移して

翔「もしかしてさ。Aチャン、お風呂上がり？だったら、ゴメンね。」

と、申し訳なさそうに言った。

A「え？」

翔「ほっぺ…。まだ、赤いよ？」

それは

もしかして

クリームチークのせい？

すぅっと翔クンの手が伸びて
その指がわたしの頬に優しく触れる。

初めてわたしに触れた翔クンの指。

頬が

熱い…。

耳まで真っ赤になったわたしをみて、目を細めて微笑むと

翔「ご飯の約束って、まだ有効？」

と、翔クンが聞いた。

「…いいの？」

わたしが尋ねると

翔「本当はイキナリ2人っていうのもなんだからさ、何人かで会おうと思ってたんだけど、いいよね？2人で。今日のお礼。ご飯もご馳走になっちゃったし。」

次の約束までして

今夜は翔クンで頭の中がいっぱいで眠れそうにないよ…。