回る紙飛行機 Ren.N (ページ9)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:6,426 hit

9 ページ9

「永瀬くん、私と…付き合ってください！」

「ええよ」
「………え？」
「ええよ、君と付き合う」

梅雨も終わって、明日から夏休みって頃、彼女ができた。ハルナって子。

Aを避けるようになってから更に告られるようになった俺。
大して知らん子ばっかりやったから全部断っとったけど、今回はなんとなく。

顔がちょっと可愛いと思ったからオーケーしてみた。俺、最低。

「え？ほんとに？いいの？」
唖然としてえ？え、？とテンパっとる彼女。

「そんなびっくりする？」
「当たって砕けるつもりで、今日来たし…」
「ええ？」
「……夢じゃないよね」
「そんな信じられんのなら夢にしてもええけど」
「え！やだやだやだ！彼女にしてください！お願いします！」

焦りながら顔の前で手を合わせてお願いして来る。
可愛い。

なんだ。
A以外でも、彼女にできるやん。

だいごには、一応報告したら微妙な顔をされた。

「なんやその反応は」
「いや……ほんまにそれでええんやな？」
「当たり前やん。自分で決めたんやから」
「そう。ならええけど」

夏休み。
映画行って、何観るんかなと思ったら流行りの恋愛映画で恥ずかったり、手ぇ繋いで買い物したり？
1ヶ月記念日ー！ってサプライズされたり。
まぁフツーにカップルみたいなことした。

中学生の行くとこなんかたかが知れとるから、同じクラスの奴とかにデート中バッタリ会って、え！という顔をされる。
俺と、彼女のことを交互に見て「倉田さんじゃないんだ……」とか。
聞こえとんねん！

彼女は彼女でその度
俺を見上げて微笑んでくる。
なんなんやろ。
反応に困るんやけど。