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「Aちゃんとケンカでもしたん?」

グツグツと沸いている鍋を搔き回しながらオカンが、突然訊く。


「してへんけど。なんで?」
「いや、最近来んくなったなあ〜と思って」

それは俺が避けてるからやけど。
なんて、娘のようにAを可愛がってるオカンにだけは口が裂けても言えん。


「この間お母さんからの届け物しに来てくれたときも廉いますか?って言って1時間くらい家で待っとったし…」
「待ってた…?」

待っててくれたんか。
急に態度を入れ替えた最悪な幼なじみに必死に話しかけようとしてたAの顔が浮かぶ。


「まぁお母さんが引き留めたって言うのもあるけど。あんたが全然帰ってこんから夕食食べて帰ってったで」
「へえ。夕飯なに?」
「ぶり大根。あと冷しゃぶのサラダにワカメのお味噌汁」

ああ、Aの好きなやつや。

「Aちゃん美味しそ〜に食べてくれるしお母さんと楽しく話してくれるから来てくれんくなって寂しいわー」
「この年になって家行き来しとんのもおかしいやろ」
「え、あんたらそういうの気にしてたん?」
「ハ?」
「この間まで周りの目も気にせず手ぇ繋いだりしとったやん」
「………」
「てっきりAちゃんがお嫁に来てくれると思っとったのに距離作ってどうすんの」

この間までって、それはいつの時や?
オカンに見られることあったか?
親から見ても距離感おかしかったんか?
手ぇ繋ぐとか、Aがうろちょろするから当たり前やったし。

色々、訳分からんくなる。

普通の距離感って、なに?

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作者名:ごま | 作成日時:2020年9月13日 16時

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