回る紙飛行機 Ren.N (ページ3)

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学区が同じやったから、当たり前に小学校も同じところに入学した。

俺らの学年は人数が少なくて、1クラスしかなかったから、男子組は全員仲が良かった。
女子はそうはいかんかったけど、そこまでギスギスするわけでもなく、仲良しグループが何組かあるような平凡な感じ。

Aも、元々明るい奴やから友達は当然できた。

「廉！今日はうちん家ね！」
「オッケー」
「あ、この間貸した漫画も持ってきてよ！」
「は？あれまだ読みきってへんからむりやで」
「えええ！3日で読むっていうから貸したのに！」
「言ってへんわそんなん」
「言った！」
「言ってない。証拠ないやろ！」

俺らの関係は、まぁ相変わらずで。
変わったことといえばAが俺のことを呼び捨てにするようになったくらい。

クラスのヤツらは、俺らのことを最初は冷やかしとったけど今となってはセットみたいな扱いをする。

「今度の学級委員、またと廉Aちゃんでいいでしょ」
「なんでやねん」
「私達1年のときからずっとやってるよ！？」
「Aはええやん。肩書きだけやし。実際委員として働いとんの俺だけやからな」
「そんなことは……ある…かも…」
「いいじゃんいいじゃん。Aちゃんだけだと心配だけど廉がいるし。二人いつも一緒だし」
「ちょっとお！心配とはなんだ！」

ええーい！とか言って
言い出したやつを叩くフリしてるのを見て、モヤモヤ。

「お前はそーやってすぐ手を出す！暴力女！」
俺だけ見とけや。

結局、小4まで学級委員をやらされた。
Aは「相手が廉なら別にいいよ」って引き受けてた。
なんやそれ。

あとの2年は、流石に6年同じ人では他のみんながリーダーシップを取ることを学べないとやけに熱血の担任から言われて、別の奴がやることになった。

熱血担任は、俺とAが言い合ってるのを見るのが好きだと言う。
「青春だな！」
が口癖で、Aが首を傾げてた。

「廉って東京に染まらんよね」

小6の終わりにふとオカンに言われる。

「なに急に」
「私こっちの人と話しとるとつい標準語につられそうになるもん」
「根っからの関西人やろオカン」
「まあね、だからうどんはぜったい外では食べへん」

Aが好きやって言うから、関西弁貫いとんのや、
とは言えず。
そういえばA、東京人のくせに、うちのオカンの作る関西風ダシのうどんが好きとか言っとったな。

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