回る紙飛行機 Ren.N (ページ14)

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アイツのせいで最悪の気分や。

一日中イライラしたまま放課後になった。
大吾は、そんな俺には面倒くさがって我関せずという感じで。
誰かに話しかけられたら当たってしまいそうやったから逆にありがたかった。

「…あ」

最悪な日はとことん最悪らしい。

Aの家を通り過ぎようとしたところで、Aがちょうど玄関から出てきたところやった。
目があって、2人して固まる。

「えっと、久しぶり」

気まずそうにAがへらりと笑う。
そんな顔、させとるのは俺なわけで。

「久しぶり」
「ポストに郵便入ってないか確認しようとしたら廉がいるからびっくりしちゃった」
「ああ、お前郵便担当やもんな」
「うん」
「……」
「……」

気まず。
こういう関係になりたかったわけじゃないのに、結果的にそうなったことが腹立たしい。
俺はどうしたらよかった？
神宮寺なら、どうやってAを守った？

今日一日イライラしていた理由になんとなく気付く。
神宮寺にムカついてたわけじゃない。
好きなやつを守りたいのに、全然うまくいかなくて、傷つけてばっかで、挙げ句の果てには花火大会で泣かせて。
しかもその理由にはいまだにピンときてなくて。
隣に居れない自分が情けなくて。
俺、かっこわる……