回る紙飛行機 Ren.N (ページ12)

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「やっぱり2人で来てたんだ。ね、Aちゃん。言った通りだったでしょ？」
「……」

道のど真ん中で話しかけてきたくせして、返答は特に求めてなかったらしい。
俺らが振り向いたことを確認したと思ったら、隣におって俯いているAの顔を神宮寺は覗き込んだ。

「大丈夫？可哀想に…ちょっとあっちで休もうか」

神宮寺が、Aの肩に手を回す。
Aはずっと俯いたまま。
スン、と鼻をすする音がした。
……泣いてる？

思わず声をかける。

「A…？」

「話しかけないでもらえる？君のせいでAちゃんは泣いてるんだから」
「ハ？お前が泣かしたんちゃうんか」
「……鈍感過ぎない？ちょっと自分の胸に手を当てて考えてみたら？」
「神宮寺くん、違うの。廉は悪くないよ」

なんやこの流れ。
まるで俺とハルナがおるところを見て泣いてるみたいやん。

「Aちゃんが許すならまぁいいや。じゃああっち行こっか」
「おいちょっと待てや」

ちょっと、こいつAに対して馴れ馴れしすぎんか？

「お前、Aになんかしたら承知せんで」
「え？それどういう権利があって言ってる？」

神宮寺が、イラついたようにこっちを見た。

「ハ？」
「君ってAちゃんの彼氏でもなんでもないよね。なんでそんなこと言われなきゃなんないの？」
「それは…」
「それは？」

神宮寺も、ハルナも、Aも、ジッと俺を見た。
異様な空気にたじろぐ。
急に罪人みたいな気分になった。

「幼なじみ、やから…」

Aと目が合う。
神宮寺に聞かれたはずなのに、Aに言ってるような感じがした。