Euphoria (ページ3)

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必要だったのは小さな積み重ね JK ページ3

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凍えそうな僕のことを

暖めてほしいんだもっともっと

「A～」

『…ん？』

「あ…またSave Meのメイキング動画」

もう何回も見てるよね

『これ好き』

何回も見返しては

今みたいに少し寂しそうな顔をするよね

ねぇどうして？

『これこれ』

そう言って見せてくれた画面にはまだ餅感があるジミニヒョンとトマトみたいに真っ赤な髪色のテヒョニヒョンが映ってる

「…これ？」

『これ』

「これが好きなの？」

『すき』

いやいやこれは確かにメイキング動画だけど

この場面はどう見ても撮影後だし

餅がカメラに向かって出来栄えだとか感想だとかをにやにやしながら話してるだけ

分かんない

何度も巻き戻して見せてくれるけど

見返すほどなにがそんなにいいのか

俺には分からない

さっきから巻き戻しているところと言えば

①餅がカメラに向かって話してる

②後ろから四次元の手が伸びてくる

③餅が四次元を背負う

そこばっかり

それは所謂「おんぶ」ってやつで

いつも通りの二人っていうか今ではもうすっかり見慣れてしまった二人

なんなら動画じゃなくても普段からよく見る二人だ

ねぇヌナ

何度見せてくれたところで俺には

餅が四次元を背負ってるだけにしか見えないよ

Aもおんぶしてほしいの？

頭に浮かんだハテナが一向に取れそうにない俺を見越してなのか

Aは少し躊躇い気味に一つ一つ言葉を選ぶようにして話し始めた

けどそれは決して

" ジョングクを傷付けないように " とか

そんな俺にとって都合のいい理由じゃないと思う

自分の気持ちがなるべく正確に伝わることを願うように少しの誤解も生まないように

慎重に話してるみたいだったから

Aが慎重に話そうとしているときは大抵感情に言葉が追いついてないときで

聞いてくれる誰かが必要なときだと俺は勝手に思ってる

『ジミナ当たり前みたいにテヒョンをおんぶしたでしょ？』

「うん」

『家族も友達も恋人もどれだけ自然な二人になれるかだと思った』

そう言ったAは寂しそうに笑って『羨ましい』と呟いた

まるで独り言みたいに

本当に今ひとりぼっちでいるみたいに