恋とは甘くて苦いもの【赤】 (ページ1)

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１第一印象は怖い人でしたページ1

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母「A～！何やってんの～？」

「あ、ちょっと待って！お母さん！」

私は鏡の前でちょい、と前髪を直して慌ててカバンを持ち、玄関を出る。

今日は高校の入学式だ。
待ちに待った高校生活にウキウキしながら歩く。

「あ…」

忠義「お、似合うやん」

「た、忠義…」

忠義「身長は相変わらず…」

「忠義がでかいの！！」

家が近所で幼なじみな忠義。
いや、腐れ縁……どっちでもいいや。

そんな忠義と二人並んで歩く。
くっそ。こいつデカイから並びたくないんですけど。

気がついたら説明会以来に来る高校が目の前にあった。

「うわぁ♡」

忠義「……可愛いな」

「…なんなんお前」

そんなこと急に言われたら照れるじゃん…。

ドキドキ…しちゃうじゃん。

すばる「……邪魔や」

「へっ…」

校門の前で止まっていると、後ろから誰かに話しかけられた。

ビクッとして振り返ると、先輩らしき人。

「あ、す、すみません…」

すーっと歩いていくその人。

怖い…。

忠義「なんやの……避ければいい話やん」

忠義は「感じわるぅ…」と呟いて歩き出した。
その後ろを慌てて追いかける。

当たり前だけど、クラス表の周りは混んでいて、人よりすこーしだけ小さい私は人混みの中に埋もれてしまう。

「あ、ぷっ…」

忠義「お、A、同じクラ…」

こっちを振り返った忠義は、一瞬固まると吹き出して笑った。

そしてぐいっと私の腕を引っ張ってくれる。

忠義「その身長だと色々不便やろ(笑)」

「笑い転げながら言うな。助かったけど」

忠義「やっぱA、ちっちゃいなぁ(笑)」

「もーー！忠義がデカイっつってんじゃん！」