オレの。《Kei.I》 (ページ9)

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オレンジ色に染まった夕方の空の下を

1人で歩く帰り道

「あぁ～…いい匂い」

この家の今日の晩ご飯、絶対カレーだな

いいなぁ～、カレー

「……」

チラリ。と

自分が持っているコンビニの袋を見る

その中に入っているのは二人分のお弁当。

「なーんか、虚し…」

あたしの家は

両親が海外出張で居ないため、二年前から弟とあたしの二人で暮らしてて

なるべく、あたしが晩ご飯を作るけど

帰るのが遅くなった日(今日の場合は誰かさんのせいで)のときは、いっつもコンビニのお弁当を買って帰ってる。

「あぁ～！！」

なんか無性にカレー食べたくなってきた！！

明日は絶対カレー作ろ、うん。

そんなことを考えながら

我が家のドアを開けようと手を伸ばした時

「うわっ！！」

雄「うおっ！」

いきなり開いたドアに、思わず後ずさり

そこから、ひょっこりと顔を覗かせたのは

雄「ビクッた～、！あ、おかえり」

明るい茶髪に、赤いメッシュ。

耳には、紫色のピアスがキラリと光ってる

見るからに、ヤンチャな男

「…ただいまー」

そう。これが

あたしの弟、高木雄也(高2)である

雄「ちょ、今から出かけてくるわ」

「はっ？こんな時間からどこ行くの！」

雄「え？あーー、ちょっと用事」

「…用事？」

雄「そ。」

「……ふーん」

…なーんか、怪しいな

雄「あっ！時間やべっ！てことで、晩ご飯いらねーから！そんじゃ！」

そう言って、

急ぎ気味で走り去った我が弟

「え、ちょ！雄也！！

…………もう、」

ご飯いらないなら
早く言ってよ！！

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