オレの。《Kei.I》 (ページ28)

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決まった？と、聞いてきた彼に頷くと

すみませーん！っと店員さんを呼ぶ彼

店員「ご注文お伺いします！」

慧「えーっと俺、この親子丼でー」

…げっ！

なんで一緒なのよ～…！！

店員「お客様はどうされますか？」

「えっ！えとー、」

親子丼食べたい！…けど

もし
同じやつ注文して

慧「何何、真似するとか！実は結構俺のこと好きなんじゃね？(笑)」

的なこと言われたらめんどくさい

とてもめんどくさい

「タラコパスタで…」

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慧「つかさー、なんでF高の前になんかいたの？」

そう言うと、

フーフーして、とろりとした親子丼をパクッと食べた彼

「弟がいるの…」

くっそぅ、、めっちゃ美味しそう

慧「ふーん、」

モグモグしながら

あまり興味が無さげに返事すると

再び、掬ってフーフーとしてる。

その姿を見ないように

クルクルとパスタを巻いていた時

慧「ほらっ」

「え、」

あたしの口元に差し出されたのは、さっき彼がフーフーしていたもの。

慧「食べたいんっしょ？」

「なっ、なんで！」

慧「そんな目でずっと見られてたら流石に気付くっての(笑)」

慧「ほらっ、あ～ん」

「……」

悔しいけど、親子丼には勝てない…

慧「おっ、食べた食べた(笑)」

恥ずかしくて
少し俯きながら、モグモグと味わう

「おいしい～！」

顔を緩ませて

思わず、叫んでしまったあたし

慧「ふはっ！

……かーわい」

頭上から聞こえた言葉に

パッと顔を上げたあたしと、こっちを見つめていた彼の目がパチリと合う

慧「ん？」

「…えっ、いや」

絶対バカにされる…！って思ってたのに

その時の彼は見たことないくらい優しい表情をしていて…

思わずドキッと跳ねた心臓

「……」

…え、ドキッとする？

慧「うまそーに食うね？」

ちっ、違う！ちょっとギャップにやられただけだ！

ほら、普段性格の悪いジャイアンが映画になるといきなりイイヤツになったときのあの感じよ！

「……」

トキメいたとか、そんなんじゃない…

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