残酷・その壱 ページ3
「氷華の呼吸・壱ノ型…氷華千針」
凛とした少女ー 紡の声と共に、ゴトンと鬼の頸が落ちる。
はらはらと儚く散りゆく鬼を哀しい目で見つめ、
「来世では…鬼に為りません様に。どうか…幸せになれますように。」
そう呟いた。鬼は涙ながらに微笑み、
「…ありがとうー」
そういった後に、灰となり消えていった。
私は手を合わせた後に立ち上がり、屋敷へ戻ろうとしたーその瞬間に鎹鴉の「氷雪」が頭の上を飛び回り
「カァア!!!カァア!!! 紡、雲取山ヘ向カウノヨ!人ガ鬼二襲ワレテイルワヨ!」
と言い、私の右肩に止まった。
「分かりました…雲取山ですね…氷雪、案内してもらえますか?」
「イイワヨ!コノ私二付イテ来ナサイ!」
氷雪は直ぐに肩を離れ、目の前を飛んでいく。
置いて行かれぬように、走る速度をぐんぐんと上げていく。
そして暫くすると
「ツイタワヨ!!」
そこには少女の鬼が少年に襲いかかっていた。
私は咄嗟に鬼に斬りかかった………どうやら、
水柱…「冨岡義勇」さんもいたらしい。
「あ……み、水柱様(どうしよう…水柱様よりも先に斬りかかってしまった…)」
「…………雪鳴か」
「……あ……えっと……」
私が慌てている間に、水柱様は少年の方に顔を向け
「…何故庇う」
と冷たい眼差し、無機質な声色で問いかけていた。
「妹だ…俺の、妹なんだ」
そう少年は言う。
「身内だからといって…貴方が襲われない保証は無いのに…」ボソッ
そうしている間にも少年の妹だという鬼は血走った眼をし、暴れていた。
「…それが、妹か?」
「……ッ!!」
水柱様が走り出すと、少年は鬼に覆い被さった。だけども
鬼の少女はもう既に水柱様の元だ。
「禰豆子ッ!!!!」
少年が走り出そうとした瞬間に
「動くな」
と、水柱様が言う、少年はピタリ、と止まった。水柱様は
「俺の仕事は鬼を斬る仕事だ。勿論お前の妹の首も刎ねる」
そう淡々と言葉を続けた。少年は必死に
「待ってくれ、禰豆子は誰も殺していない!!俺の家にはもう一つ
嗅いだことのない匂いがした、皆を殺し…たのは多分そいつだ!!
禰豆子は違うんだ どうして今そうなったのかはわからないけど でも!!!!!」
そう号ぶ。水柱様は絆される事無く
「簡単な話だ 傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった。人喰い鬼はそうやって増える」
冷静に、冷酷にそう告げる。
ここで切ります(文字数の関係)
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裕那 - 違反になりますのでオリジナルフラグをお外し下さい。 (2019年12月18日 19時) (レス) id: 554f4bc429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごめろんぱん | 作成日時:2019年12月18日 12時