【我妻善逸】俺とギャルと六月の落し物 (ページ19)

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あれから二日経つ。

その日から善逸は、おはようからおやすみまで連絡をしてきたし、

昨日の夜にはポエムが送られてきた。

善逸のことはもちろん大好き。

大好きだけども、ちょっと鼻の穴に入る覚悟は出来てなくて、

最近上手く話せてない。電話も全部無視しちゃった。

今日はたまたま忘れ物があったから学校に行くことになってたんだけど、

こんな暑い中みんな部活やってて尊敬した。

私絶対焼けたくない！とか言ってやらないんだろうなあ。

でもこういう青春の何かに打ち込むって素敵だなあ。

忘れ物を取った後、なんとなく青春が羨ましくなって外を眺めた。

サッカー部と、テニス部と、陸上部。

その中に、

「あーもう頑張れない！Aがいないと頑張れない！！！やだ！もう一本なんてやだ！！！昨日の渾身の詩を贈ったのに返信来なかったもん！やる気出ない！！！！」

「ワガママ言うな吟遊詩人！」

善逸がいた。

のたうち回る様子は蜘蛛みたいだった。

あぁ、でもやっぱりかっこいいなぁ。

イヤイヤ言いながらもちゃんとやってて、

善逸が誰よりも速く、雷みたいに走り抜ける姿に目を奪われた。

善逸が陸上部なのは知ってたけど、こうして部活を見るのは初めて。

しばらく放心状態だった。

「あぁ、私、こういうところを好きになったんだな」

普段あんなでも、やるときはちゃんとやる。

ちょうど部活が終わる挨拶が聞こえた。

なぜだかわからない衝動で、
でも本当はなぜかずっとわかっていたけど、

善逸の所に行かなきゃ。そう思った。