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やっぱり、同じクラスになれてよかったよ、
授業中の横顔を眺めながら思う。
先生にお願いしたら、隣の席にしてくれるなんて...!
留学生にとっても優しいのね!
窓から流れ込む風で揺れる前髪が、窓際の彼の長いまつ毛に触れる。
急に、その透き通った目が、こちらを向いた。
「ねぇ、あんまり見ないで、照れちゃう」
シャーペンを持っていた方の手で顔を覆った。
そのふとした仕草に私の心臓の奥の方が、ぎゅんって鳴った。
きゅん、じゃないよ。ぎゅん!
「そうやって二人で悶えるのやめて欲しいなぁ」
「窓際だけど、そこ、一番前だからな。」
あら、いけない。
つい授業中だってことを忘れてしまっていた。
「わかったら、あんまりこっち見てないで授業に集中しなよ。」
顔を両手で覆って目だけ出した状態でこっちを見る。
かっこいい...
こんなかっこいい人が集中しなよって言うんだもん、
「うん、がんばる」
言うこと聞いちゃうよね。
.
.
.
「わかんない!全然わかんない!!!!
善逸、どうしよう!?」
1問も分からない。困った。
最初の基本問題が分からないから、先生がいくら解説したってそこは発展問題ですよー、って感じ。
「どこ?」
「全部。」
「全部!?」
私だって、私がこんなにバカだって知らなかったよ。
でもさ、仕方ないじゃん、
文系なのに、善逸が理系って言ってたから少しでも同じクラスになれる確率上げたくてさ、
理系です!って言っちゃったんだもん。
許してよ、ほんとはこんなはずじゃないんだって。
「来週、テストだよ。
うち一応進学後だから一科目でもダメだと大目に見てはくれないと思うよ。」
「えぇ、なにそれ、もしだめだったら私たちもうお別れなの...?もうさよなら...?出会ったばっかりなのに?」
「大丈夫だから!俺がちゃんと教えるから!落ち着いて!」
正直、善逸が勉強を見てくれるなんて煩悩しか湧かないけど、
ちゃんと思い出さないと、目先の善逸より未来の善逸よ。
お嫁さんになるんだもの。
頑張らなくちゃ。
「なー、Aといる時の紋逸、なんか変じゃね?
めちゃくちゃマトモっていうかさ、
Aがちょっとバカでちょっとやべぇ奴ってのもあるけどよ、」
「伊之助、あんまりおおきい声で言っちゃいけないぞ、
善逸がせっかく幻滅されないように頑張ってるんだから。」
「要は、かっこつけてるってことか」
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作者名:アリス | 作成日時:2020年12月17日 20時