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「ねぇ、Aってどこに住んでるの?」
「私はね、祖父の実家に今はお世話になってるの。
とは言っても、お家の人はお仕事で誰も帰ってこないんだけどね。」
祖父の甥にあたる人が今はその家に住んでて、
でも、お仕事が忙しいから泊まりがけのことも多くてほとんど一人暮らし。
学校での出会いが新鮮すぎて、きっといっぱいになっちゃうから家でくらい休めるって考えれば悪くもないかなって思ってる。
「じゃあ、帰り道同じだ
明日からも一緒に帰ろうよ。」
実は私もそのつもりでいたよ、
あなたから言い出さなくたって私から誘うつもりだった。
それでも好きな人からそうやって言われるのは嬉しくてやっぱりにやけちゃう。
隠しきれなくて、その顔のまま頷いた。
「学校だとやっぱり、他の人もいるし落ち着かなかったわ。」
「善逸、改めて、あなたに会えてとっても嬉しい!」
こうして一緒に帰るの、何度夢見たっけ。
二年間、ずっとあなたのこと考えてたの、ってそう言ったらどんな顔するのかしら?
まだ言えないけどね!
「俺も嬉しい、っていうか、びっくりした。」
ちょっと照れくさそうだけど、さっきの学校のときよりは真っ赤じゃないみたい。
「嫌じゃなかった?迷惑じゃなかった?」
「そんなわけないでしょ!!」
「手紙の返事は自信なくて出せなかったけど...
ずっとさ、会えたらなって考えてた。今頃何してるかな、とか。」
わたわたと手を振って誤魔化してから、
ちょっとだけ決まりが悪そうに私を見上げる。
夕焼けが赤く染める黄色の頭を眺めながら歩く帰り道はちょっとだけくすぐったかった。
だから、うふふ、なんて笑って返した。
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作者名:アリス | 作成日時:2020年12月17日 20時