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「隣のクラスの子がさー我妻のこと好きなんだってよ。」
「え、誰?」
「ほら、あの子だよ、水泳部のマネージャーでさ、」
「あーあの可愛い子な、お前、ずるいな」
「んーーー別にいいよ」
放課後の教室で恋バナに花が咲く。
誰が誰のこと好きで、付き合ってて、
幸せそうで何よりなんだけど、やっぱり今の俺には無縁の話だった。
「俺さ、好きな子がいるんだよね。
まだ会ったことはないんだけど。」
なんて言うと決まって
「何それ、出会い系?どんな子?」
ってはやし立てられるけど、そんなんじゃない。
もっと純文学的で、もっと運命的だ。
二年前からあるきっかけで文通を初めてからというもの、毎日毎日書き続けた。
その日がどんな日だったか、木の色づきや空の青さ、全部伝えたいって思える人なんだ。
たとえば、ちょっとツいてないなって思うようなことだって、このことをあの子に話したらどう思うだろう、なんて考える。
そうすると、プラマイゼロどころじゃなくプラスになる。
「絶対教えてやんないよーーだ」
彼女のことは俺の中にだけ秘めておく。
我妻善逸、六月の初恋の話。
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作者名:アリス | 作成日時:2020年12月17日 20時