２年は明日も元気です【白鳥沢】

一致団結 ページ39

風呂上がり、部屋に集った


及川、国見、白布、川西、赤葦、A。


簡単に言うと、


深刻なツッコミ不足だ。



状況に誰も突っ込むことなく時間が経ち、

やっと疑問を口にしたのは及川だった。



「これって……王様ゲームなんだよね？」


及川の知っている王様ゲームといえば、


一番と五番がキス！！

だとか、ポッキーゲーム！だとか、


そういう甘いものなのだろう。



「世の中そんなに甘くないんですよ……」



汗だくの赤葦が言った。


ここまでの５回、Aと国見が全て王様を引き当て、


腕立て伏せ１００回！！だとか、

腹筋１００回！！だとか、


ビリーズブートキャンプをやれ！だとか。



ハードなミッションを与え続けた。


それも、絶対番号見てるだろ、ってくらい、

Aと国見以外を指名し続けた。



「まだやります？」


涼しい顔をして国見が言った。



「まだまだやってやるぜ……！！」


川西の汗が輝いて見える。

いやもう辞めようよ。




「私もう疲れたから辞めたい」



いやいやいや、あなた疲れる要素無かったでしょう！？


案の定Aの意見は却下された。



「お願いしますもうすこしイージーレベルのミッションにしてくれませんか……！」



白布が請願権を行使してきた。



「仕方ないな……じゃあ次行くよ？」



『王様だーれだっ』



いっせいに棒を引き、



「っしゃあああああああああ！！」


ついに川西が王様を引き当て、


独裁政治……ファシズムから逸脱できると誰もが思った。


胸に秘めた復讐の心を……


川西は立ち上がった。


自らの長身を生かし、Aと国見の番号を見るためだ。



「お前らーァ！！！！


さっさと寝ろよ！！！！！」



廊下から響き渡る怒声。



「あーあ、鍛治くん怒っちゃったみたいだし解散だねー！」


そそくさと立ち去ったA。


不憫な皆さんは翌朝、Aへの復讐を胸に誓うのだった。

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