浮気スペシャリスト白布･川西

仕返し。１２ ページ12

数分間その状態が続き、
突然賢二郎が頭を上げたかと思うと、


「あれ、ファーストキスだったんだって？」


って。
なんで知ってるんだよ。

私がそんなに恋愛と無縁に見えるか？


「うん。

でも、作戦のうちだしノーカンかなーって思ってる。」


そう言うと、


「じゃ、これは作戦じゃないから。」


と言って唇と唇が触れた。

なんだ、コイツ、上手くない？


太一も多分上手かったんだろうけど、
正直ビックリして覚えてないっていうか。


みんな、女の子慣れしてるんだろうなぁ……


いつまでも走り回ってるのは私だけかぁ……


なんだか悲しくなった私。

そして賢二郎は唇を話すと、


「Aのファーストキスは俺ね？」


と言って逃げていこうとした。


はえー、すっごい。


「みんなして、すごいなぁ……」


ここ最近で青春経験値を積みまくりな私。

如何に今まで自分が冴えない生活をしていたのかがよくわかった。


去り際に賢二郎は振り返って、



「……俺だって初めてだったんだからな」


って。


イケメンは生まれつきキスが上手いんだね。
才能だ。


じゃなくて……


んな事言われたら意識しなくもないでしょ。

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