キンセンカ ページ3
mob「うぜぇんだよ！！」
ガコンッ！と大きな音を立てて壁を蹴る。……知ってた。"彼ら"に関わればこうなる事を。
『…………』
だからって、こんな事が良いとは思っていない。なのに……何故、私は対抗出来ないのか、何故、一言も口から出てこないのか。
mob「黙ってないでなんとかいえよ！
'私達の'ワイテルズ様に触れた
のは何故だ？」
ぴくっと瞳が動く。これ以上黙ったり言う事を聞かなければ命が危ないとまで感じる。
『……み、みんなはお前らのモノじゃないんだよ…。』
だがしかし、声として出るものは情け無く弱々しいものだった。
mob「はあぁぁ！？お前いい加減にしろよ！！」
ガツンッと鈍い音と共に脳内に直接入ってくるような衝撃が走った。
mob「あははは！！きっんもぉー！」
なにが起こったか分からなかった。
数秒後に耐えきれない程の痛みと頭から流れてくる赤い"ソレ"で私は棒状のなにかで殴られたのだと認知する。
mob「あぁーあ。楽しかった！今日はここまでね！明日も来いよ？あと、この事誰かに言ったら本当に殺すから」
そこまで一息で私に投げ掛けるとふぅっと息を吐き入り口の側まで歩く。
mob「今日はここで大人しくしな！」
とだけ言い残され、ガシャンッと鍵を閉める。ここでようやく体育館倉庫だと気付いた。
mob「もうワイテに関わんな！！！」
脳内でその言葉だけがリピートされる
これからどうしようか、と考える……
事もなく、予め用意していた体育館倉庫の合鍵で鍵を開ける。
靴はアイツらの仕業であろう、ゴミ捨て場に無造作に捨てられていた。
私が校門をくぐる頃にはもう太陽が沈んでいたので、急いで家路に着く。
まるで無残な私の姿を嘲笑うかのように雨が降った。
『……ただいまー。』
当然ながらおかえり、と返ってくる事もなく私は洗面所の鏡の前に立った。
『…………』
酷い姿だった。目は腫れ、頭からは流血。腕や脚には打撲や擦り傷が十数箇所ある。
明日は休もう、と思うと少し心が軽くなる。当たり前のようにイスに座るとその軽い振動でも頭痛がする。
夕食より先に手当てが必要のようだったので軽く風呂に入る事にした。
ザァァァァ…。
ズキズキと傷が滲みるがこれにももう慣れてしまった。
『……ッ！』
流石に頭は痛い。慎重に髪を洗っていき、ふと目に入ったのは右腕の二の腕あたりの内出血。
『んっ…』
触るとズキっと痛みが走る。
風呂からあがり、手早く部屋着に着替える。濡れた髪から水が滴り落ちていた。
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mimi - 面白かったです！次回も楽しみにしていまーす (2021年1月25日 19時) (
レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - ご指摘ありがとうございます。ルールを確認不足だったみたいです…。もう一度確認してから作るようにします！本当にありがとうございます！ (2021年1月19日 21時) (レス) id: d0b0610543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2021年1月14日 22時
