朝日と残り香 ページ6
(重岡視点)
俺は普段、この道をランニングしない。
いつもなら大きめの公園の周りや河川敷を小1時間走る程度だが、木曜日だけはこの路地を走る。
そして、必ずすれ違うのはあの背の高い少しタレ目なイケメン。
すれ違うたびに、今人気の男物の香水の匂いがする。
「うぁっ、」
重岡「いひひ、驚いた？」
「ふふ、びっくりしたぁ。おはよう大毅君。」
重岡「ん、おはよ。」
俺がこの道をランニングするのは、ご主人様に会うため。
ほら、犬って毎朝散歩してもらうやん？
それと同じ。
こうやって毎週木曜日の朝、俺が来るって分かっとるから外で待ってくれてんねん。
「汗かいちゃってるね、ちょっと屈んで？」
重岡「走ったからなぁ、」
「走れるのすごいね、あたし体力無いから憧れちゃう。」
重岡「ふは、確かに体力無さそう。」
「あ、もう。ちょっとは否定してよ。」
俺の顔や首元を優しくタオルで拭いてくれる。
ひんやりとした手で耳や鎖骨に触れられるとピクッと反応してしまうのは、しゃあないやんな？
そんな俺を見てAはくすくすと笑い、
「気持ちいいんだ？」
なんていじらしく聞いてくる。
そして、顔を寄せられるとふわっと匂いが香る。
さっきの、モデルみたいな男と同じ匂い。
重岡「…今日も、いつもぐらいに来るから。」
「もう、行っちゃう？」
重岡「おん、今日も大学あるし。」
「そっか、じゃあちゃんと来てね？待ってる。」
そして俺の頬に手を添えるとちゅっ、とキスをして「大学頑張ってね」と耳元で囁いて俺に手を振ってきた。
ほんまはもっと触れて欲しかった。
でも、早朝は嫌。
絶対、昨日Aが夜を共にしたであろう男の匂いがするから。
重岡「…今日は俺の日やのに、他の男の匂いを振りまくなや…っ！」
走りながら呟いた俺の言葉は、雀の鳴き声に掻き消された。
他の男の匂いが嫌なら朝来なければいい話だけど、
1秒でも多く会いたいから、
好きだから、
仕方がない。
「…夜までには、匂い落としておくからね。」
そんなAの独り言は、俺には届かなかった。
────────
知らない間にすごい評価頂いてありがたい限りです。全て嬉しいです。
小説を書くのは初めてなので至らない点ばかりですが、これからもよろしくお願いします。
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みなみ(プロフ) - 終わってしまい、がっかりです。 (2019年6月8日 16時) (
レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続き、楽しみにしてます。 (2019年4月18日 12時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - リクエストいいですか？逆らったらどうなるのか詳しく書いて欲しいです。 (2019年2月11日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
氷牙 - これからも更新頑張ってください！ (2019年2月7日 21時) (レス) id: e5fc57acf1 (このIDを非表示/違反報告)
(匡子(プロフ) - ジャニスト可愛いドMの感じいい更新楽しみしてますあと、リクエストでジャニストメンバー全員鉢合わせするみたいなとの見てみたいですご主人様はどんな対応取るか (2019年2月5日 8時) (レス) id: 2aca83cdf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2019年1月5日 22時
