ひゃくきゅうこめ「無意味な期待」 ページ9
「ねぇ、本当にぼくのお兄ちゃんに会えるの?」
教会の薄暗さに不安になって、聞いてみた。
「エイ、ベル・・・我がマスター、その女は、あぶな・・・・・・ぐっ」
「あなたは黙って下さい。どうせ、制約がかけられた今の貴方の肉体では、私の目から逃れる事は不可能ですから」
紫の髪の長いお姉さんは、バーサーカーを睨みつけている。
一画減った左手の令呪を撫でた。
お兄ちゃんに会わせてくれるというお姉ちゃんの言う通りに、僕はバーサーカーを使ってあのビルを壊したのだった。
「ねぇ、お兄ちゃんはどこにいるの?」
お姉さんが、ゆっくりと振り返った。
「貴方のお兄さんは」
視界が揺れる。
なにがおこったのか、わか、ら、ない、おにいちゃん、は。
「天国ですよ」
バーサーカー、が、叫んでる。
わからない、バーサーカー・・・。
「おに、いちゃ・・・・・・」
お腹には、お姉ちゃんの腕が、ぼくの背中まで。
ほんとうはとっくに分かっていた。お兄ちゃんは、前の聖杯戦争で、しんだんだ。
信じたくなかっただけで。もう一度会えるって、自分におもいこませてた。
寂しさをまぎらわせるために、バーサーカーを、お兄ちゃんだなんて、呼んだり、して。
ごめん、バーサーカーは、ぼくのお兄ちゃんじゃ、ないのに─────。
バーサーカーには、僕じゃない、ちゃとした弟が、いて。
ごめんね─────
「─────■■■。」
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作者名:亜沙美 | 作成日時:2019年9月30日 0時