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ひゃくろっこめ「路地裏を抜けて」 ページ6
女の子とはいえ、完全に力の抜けた人間を背負うのは、負傷した身体では少々つらい。
足がふらつく。
まだ・・・・・・、まだ倒れられない。
「っ・・・・・・・・・くそ」
貧血で真っ直ぐ立っているのが難しい。
「大丈夫ですか!」
路地を抜けると、人の少ない小さな広場に出た。
「先輩、この人たち、怪我をしています!」
青い瞳の青年と、ショートカットの少女が駆け寄ってきた。
「俺のことはいいから、まず背中のこいつを・・・・・・」
ゆっくり下ろそうとした所で、身体がぐらついてしまう。
咄嗟に抱えてくれたので、落としてしまうなんて事にはならなかった。
美緒が少女に抱えられているのを見て、取り敢えずほっとした。
「早く病院に・・・」
「病院はだめだ。
・・・・・・・・・申し訳ないが、その少女を少しの間見てて欲しい。勝手なお願いだってことは分かってるが・・・・・・ぐっ」
だんだん視界が暗くなり、何も見えなくなった。
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作者名:亜沙美 | 作成日時:2019年9月30日 0時