ひゃくさんこめ｢受肉したサーヴァント｣ ページ3
私によってパスが切られ、聖杯を割られて、顕現を維持出来なくなった彼女は座へと強制送還された。
「どうして！
私だって･････････っ、救われたいのに─────！！」
悲痛な叫びを聞きながら、私はこれからの事を考えていた。
まず、ホムンクルスを作り聖杯の欠片を託した。
彼女は美緒と名付け、再び彼女が召喚された場合に備えさせた。
しかし、受肉した藤丸立香が巻き込まれる事の無いよう、一部の記録は改変した。
そしてその後、私の存在と引き換えに、平行世界から彼女を止める事のできる者を呼び寄せた。
たとえ私が消えようと、構うものか。
私は、それだけの事をした。結果として、とんでもない獣を生み出してしまった。
全て私の罪だ。
気づけば、部屋は元通りだった。
「聖杯戦争は、2回あった･･････」
その2回とも、藤丸立香が召喚されていたらしい。
「気になるのは一度目に召喚された藤丸立香が、受肉しているという事ね。
おそらく、彼は自分の人格を切り離して受肉し、その切り離された部分が、あの藤丸立香として再び顕現している」
「じゃあ、どこかに最初の藤丸立香がいるってことだよね」
「そうね、リアム。ロンドンか、また別の国かは分からないけれど･･･」
「アーデルレントは、もう藤丸立香を巻き込みたくない！みたいな事言ってたけど･･････」
そう言ってユエファが腕を組んだ。
「･････アーデルレントには申し訳ないけど、彼を探す必要があるわね。
彼が、あの藤丸立香を倒す鍵になるかもしれないもの。
今すぐ拠点に戻って、また作戦を立てましょう」
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作者名：亜沙美 | 作成日時：2019年9月30日 0時
