【ゲーム実況者】よろしければキヨの恋人やめませんか？【フジ】

The past story10 ページ10

「あ？アイツどこ行った？」

お昼ご飯、一緒に食べられないって...どういうこと。
私はブツブツ言っているキヨを無視して小走りするフジの後ろ姿を見ながら、持っているお弁当の袋を握り締めた。

「俺たちと食わなきゃ、誰と食うんだ？」
「バカキヨ....そういうこと言わないでよ」
「は？」

私と違っていつもの感じでアホみたいに頭をかいているキヨを睨んだ。

「まー、しゃあねえから二人で食べようぜ。どうせ今日だけだろ」

キヨにそう言われて、私は渋々足を進めた────


────取り敢えず屋上へ来て、お弁当を食べ始めたものの、キヨの喋り声が全然頭に入ってこなかった。

...なにあの逃げ方。誰とご飯食べるの。どこ行ったの。


色々考えるけど…結局頭に出てくるのは、フジが別の女の子とご飯を食べてるんじゃないかってこと。


あの言い方といい逃げ方といいそんなことしか思いつかない。けど、そんなの本当だって思いたくない。信じたくない。

うーーんと考えてると、突然頭が痛くなって、ゴンと音が響いた。

「い゛っっっっっだ！！！！」
「うるせえ！！お前が人の話聞かねえからだろ！！！」

我に返って頭をあげてみると、めちゃくちゃ怒ってるキヨが拳をあげて怒鳴ってきた。さっきのはキヨに殴られたようだった。

「お前どうしたんだよ、変だぞ」
「いや別に....ていうかキヨには言われたくない」
「知らねーし。言うし。何で変なんだよ話せ」

「やだ話したくない！！」
「話せこの野郎！！」

食べている途中なのに、わちゃわちゃとキヨとの取っ組み合いが始まった。

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