【ゲーム実況者】よろしければキヨの恋人やめませんか？【フジ】

story13 ページ13

「ねえ、教えて」

私の耳の横で響くフジの声。

「ダメだって...キヨが、帰っ」
「そんなすぐには帰ってこないよ」

焦って無理のある言い訳を指摘されて何も言えなくなる。


────こんなこと、やめてよ

「なんで、キヨと付き合ってるの」
「...やめて」
「教えてよ」

「もういいでしょ...高校の時のことなんて忘れてよ！」

気付けば私は泣きそうになっていて。
理不尽で怒りながらフジを突き飛ばした。

ちょっとよろけて離れたフジと目が合った。変わらず真剣な目で私を見ている。


「Aちゃん、好きだよ」

「うるさい！やめてよそういうこと言うの！！」




「キヨと別れて、俺と付き合ってよ」


我慢できずに、私はあの時みたいに走って逃げた。
あの時みたいに涙を拭った。


今更なに、遅いよ。もう私はキヨのこと好きなんだから、付き合ってるんだから。

やっと最近離れてきてたのに、キヨが好きなのに、今になってそういうこと言うのやめてよ。




────また私のこと振り回すの、もうやめてよ

story14→←The past story12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す