カ ン ナ の 花 束 を 捧 げ る

希望が煌めくのが見えるか 【gt】 ページ26

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Frostpunkパロ
キャプテンgtさんとその右手的な立場の夢主のお話。
本編の話が分からないと分からないかも。面白いから動画是非見て。



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街の真ん中に聳えるジェネレーターは私たちの希望そのものだ。
その希望は氷点下150℃という、ずっと前では考えられない位の地獄とも言える寒さの中でもその動きを止める事は無かった。


外で、歓声が上がる。

歓声が上がった方の窓へ行くと、窓の外ではジェネレーターの周りに数百人というこの街の住人ほぼ全員が集まっていた。
子供も、大人も、労働者も、エンジニアも、手足を失った人も。

オートマトンでさえ、その動きを止めて、住人を見守っているように見えた。

なぜ、こんなことになっているか。理由は明らかだ。嵐が過ぎ去ったのだ。

7日ぶりに太陽が顔を出す。その輝きが今は眩し過ぎるようにも見えた。
太陽の光と同時に再び外は騒がしくなる。

凍てついた大地は溶け出し、久しぶりの暖かさが身体に染み渡る。


嬉しさと感動の余り、ずっと組んでいた両手が震える。やがてその震えは全身へと回って。
そして、その震える唇で言葉を紡いだ。



『キャプテン、キャプテン......！』



私が呼んだキャプテンは、この街のリーダー。どんな時だって私たち住人の先頭に立ってきた人だ。

キャプテンはさっき私がいた所から静かに私の隣へと歩みを進めると、私と同じく窓の外を見た。



『キャプテン！嵐は過ぎ去りました...！この街を襲う脅威はもう無いでしょう...！』


「あぁ、やったな」



たった二言。しかし、キャプテンの口角は上がっていた。

それもそうだ。何故ならキャプテンはこの街を引っ張ってきたのだから。
私たちが嵐の7日間、震える唇で神に祈りの言葉を唱えることしか出来なかった時、キャプテンは窓の外を見ながら大丈夫、俺たちは乗り越えられると明るい言葉を発し続けてきた。


あぁ、なんて偉大なのだろう。私たちの救世主は。


キャプテンは窓の外を見たまま、Aと私の名を呼んだ。

キャプテンの深緑の髪が太陽の光を受けキラキラと輝く。それは宛ら、ずっと前ロンドンで見た草木のようだ。
いつかまた、その草木を見ることは出来るのだろうか。

そして、そのチェリーレッドの瞳が嬉しそうにすっと細められた。



「希望が、煌めくのが見えるか？」



そう問われて、私はまた窓の外へ視線をやる。しかし、見なくてももう返事は決まっていた。



＿＿はい、はっきりと






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希望を信じて



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