Magic 9 ♪ ページ9
Aちゃんは無言で景色をジッと目に焼き付ける様に見つめている。
内心、気に入ってくれるかは分からなかったが、こんなに眺めてるってことは気に入ってるって事......だよね?
かといって何と無く聞く気にもなれずに俺も暫くこの景色を堪能することにした。
・
「らっだぁはなんでこんな場所知ってるの?」
と、突然投げかけられた質問。
そう聞かれ、Aちゃんの方を見て見ると今までに見たことの無い、興味深々といった顔をしていた。
.....う〜ん...と...。
「えっと......なんといいますか...そ、そう散歩!散歩してたときに見つけた!」
「え、何それ......なんか怪しい」
と、訝しげな顔をしたAちゃんだがまぁいいや、とまた景色の方へ顔を向けた。
良かった......、流石にサボってたとはいえねぇ.....。
と内心焦っていた俺だが、Aちゃんの姿を見て少し嬉しい様な気がする。
何というか出会ったばかりの彼女よりは今のAちゃんの方が、ずっと感情的...?な感じがする。
やっぱり最初の頃より少しずつ俺たちに心を開いてくれているのだろうか。
......そういえば。
景色の方に目を向けたAちゃんに、今度は俺から話しかけた。
「ねぇ、Aちゃん。何か思い出したこととかある?」
そういえばそもそも、Aちゃんが俺達の所に居候というような形で住んでいるのはAちゃんの記憶が無いからなのだ。
ただ、いつも通りにしているところを見ると多分、何も思い出していないのだろうが。
その予想通り、Aちゃんは少し考えるような仕草をするが静かに首を振った。
うーん、ダメか......。
少し肩を下ろした俺。
しかし、Aちゃんは記憶が無い事などまるでどうでもいいように、ねぇ、らっだぁ、と口を開いた。
「私、彼処行ってみたい」
「え、どこ?」
Aちゃんが指を指した方をじーっと見てみると、街の中でも一際人で溢れかえっているところ。
......市場か。
この街の市場はとても大きく品揃えも良いため人がとても多い。
しかし、少し此処からは遠いし、きっと皆で行った方が楽しいだろう。
「市場ね〜。じゃあ今度皆で行くか」
「......うん」
そう少しぶっきらぼうに答えたAちゃんだが、少し楽しみなのか表情は柔らかだった。
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メロディ(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» お久しぶりです〜!ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです〜!2人で頑張りますのでこれからも度々覗いていただければ嬉しいです! (2019年6月18日 17時) (レス) id: a4970b1a29 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 久しぶりに拝見させてもらいました! 表現がとてもきれいで参考になります!頑張って下さい! (2019年6月18日 16時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 雪那々さん» いえいえ!そしてまた今回もよかったです!世界観がしっかり表現されていて凄いです! (2019年5月5日 7時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
雪那々(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» ありがとうございますー!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…! (2019年5月4日 14時) (レス) id: 6aeb77ce64 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 今回の更新もまた素敵でした!表現が綺麗でひきこまれました!ありがとうございました! (2019年5月3日 20時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ、雪那々 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2019年5月3日 14時