Magic 6 ☆ ページ6
彼女が座ってからしばらくの間、緊張した空気が部屋の中を流れた。
相変わらず、Aという少女は黙ったままだ。
まあ、そりゃ警戒するよな。大人5人に囲まれてるんやし。
そんな重い沈黙を最初に破ったのは、意外にもらっだぁだった。
「えー…何さんだっけ?」
「…………」
他のメンバーが見守る中、らっだぁが頑張ってコミュニケーションを取ろうと話しかける。しかし、少女は何も答えずにずっと俯いている。
ふとらっだぁの顔を見ると、目があった。言葉は発してないはずなのに「助けて」という声が聞こえてくる気がする。
すると、コンちゃんが少し苦笑いしてから助け船を出した。
「まぁ、まずは俺らから自己紹介するべきじゃない?きっとAさんもびっくりしてると思うし」
「そやな、それがいいと思う…てことでらっだぁ最初な」
「え!!」と大声で叫ぶらっだぁ。相も変わらずうるさい。
「そうだね。らだおくんリーダーだから」
「はい、決まりだね」
「みんなして酷いなぁ」と呟きながら、姿勢を改めて、Aの方を見て、それぞれ挨拶していく。
とまぁこんな感じで自己紹介タイムは終わった。
不思議とAの顔も最初の時よりほぐれているように見える。
そんな様子を見て少し安心してから、レウさんが淹れてくれた紅茶を口元に持っていく。
「…で、改めて聞くけど君の名前は?それと、どこからきたの?」
「………A。それは…覚えてないの」
「Aちゃん…」
らっだぁはこれでも一応リーダーなので、天界軍にいる奴の顔と名前は大まかに覚えてるはずだが…
「…聞いたことないね」
腕を組んで必死に思い出してるそぶりをしていたらっだぁは申し訳なさそうに笑った。
「らっだぁでもダメかぁ…俺も名前聞いた時顔と名前を必死に思い出してみたんだけど…ね?」
今度はコンちゃんもお手上げというようにはにかんだ。
確かに…Aという名前は俺も聞いたことないなぁ…
「…まぁ少なくとも天界軍のメンバーじゃないってことやな、おそらく」
「そうなるね…」
それにしては魔力が俺ら並みに高い気もするけど…
そこが俺の頭にはどうも引っかかる。
「とりあえず、色々思い出すまでは様子見るしかないかな。しばらく泊まって行きなよ、部屋余ってるし」
「そだね〜」
最初は驚いたような顔をしていたAだったが、少しの沈黙の後、ありがとうと小さく笑った。
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相変わらずの亀更新、申し訳ないです
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メロディ(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» お久しぶりです〜!ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです〜!2人で頑張りますのでこれからも度々覗いていただければ嬉しいです! (2019年6月18日 17時) (レス) id: a4970b1a29 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 久しぶりに拝見させてもらいました! 表現がとてもきれいで参考になります!頑張って下さい! (2019年6月18日 16時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 雪那々さん» いえいえ!そしてまた今回もよかったです!世界観がしっかり表現されていて凄いです! (2019年5月5日 7時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
雪那々(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» ありがとうございますー!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…! (2019年5月4日 14時) (レス) id: 6aeb77ce64 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 今回の更新もまた素敵でした!表現が綺麗でひきこまれました!ありがとうございました! (2019年5月3日 20時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ、雪那々 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2019年5月3日 14時