Magic 4 ☆ ページ4
「よっこらせっと」
こちらを階段下から不思議そうな顔で見る3人はほっといて、俺とコンちゃんは2階に上がり、すっかり乾ききった少女をベッドに降ろす。
と、彼女を下ろしきったところで
「ん…」
気がついたようだった。
「…あ……れ?…こ、こ……は…」
小さくか細い声。こんなか弱い女の子があんなところにいたのか…と思いきや、
「…!!敵!!」
と言って、突然右手に黒色の魔方陣を創り出す。
「ちょっ!俺ら敵ちゃうって!」
思わず細く白い腕を掴み、魔法を使うのを留める。
すると、ビクッと肩を揺らし俯いた。
戦意がなくなったのか、彼女の右手に現れた魔方陣は消えている。
すごいな…てか黒色の魔方陣使う種族いたっけな…
「…落ち着いた?」
コンちゃんが優しい声で顔を覗き込んだ。
少女は何も言わずに頷く。
「そっか〜、じゃあまず君がどういう状況だったか、なんでここにいるのかを説明するね」
…コンちゃん女の子の扱いに慣れてる!?
不意に疑問が浮かんだが、今はコンちゃんに任せる方がいいだろうという決定から俺が口出しすることはやめた。
「その前に、君の名前は?」
…少女は何も答えない。
それでもコンちゃんはめげずに待つ。俺やったら催促する状況やな。
しかし、待った甲斐があったのか、少女は俯いたままでゆっくり言葉を発した。
「…A……」
今にも消え入りそうな声でちゃんと聞いてないと聞こえない。
「Aさんね、了解。じゃあ簡潔に何があったか言うと………」
そのあとはさっきまでの出来事をコンちゃんが説明していく。
それを彼女は小さく頷きながら聞いていた。
それにしても…不思議な子だ。
まだ大人になりきっていないはず(身長的にだから定かではないけど)なのに、魔力に溢れている。こんなところで魔法なんか使われたら家が吹き飛びそう。
そんなことを考えているうちに、コンちゃんは全てを話し終え、立ち上がったところだった。
俺もつられて立ち上がり、部屋の出口まで少し歩く。
「じゃあ、気持ちが落ち着いたら下においでよ。実は俺ら以外にもいるから紹介するね〜」
「うん…ありがとう」
彼女は、ここに来て初めて笑顔を見せた。
しかし笑顔は、今にも散りそうな花みたいにどこか儚げだった。
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早速更新遅れております…申し訳ないです…
テスト期間なので遅れることがあるかと思います。ご了承ください。
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メロディ(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» お久しぶりです〜!ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです〜!2人で頑張りますのでこれからも度々覗いていただければ嬉しいです! (2019年6月18日 17時) (レス) id: a4970b1a29 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 久しぶりに拝見させてもらいました! 表現がとてもきれいで参考になります!頑張って下さい! (2019年6月18日 16時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 雪那々さん» いえいえ!そしてまた今回もよかったです!世界観がしっかり表現されていて凄いです! (2019年5月5日 7時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
雪那々(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» ありがとうございますー!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…! (2019年5月4日 14時) (レス) id: 6aeb77ce64 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 今回の更新もまた素敵でした!表現が綺麗でひきこまれました!ありがとうございました! (2019年5月3日 20時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ、雪那々 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2019年5月3日 14時