Magic 17 ♪ ページ17
天界軍の回復に駆けずり回っていた俺はそろそろ流石に魔力、体力共に底を尽きて来たので、少し森の茂みに隠れて休む事にした。
地面にしゃがみ込んで杖を置き、物陰からジッと戦況を覗く。
さっきまで戦力は拮抗状態だったが、此処に隠れる前にさっきまでは居なかったおいよさん達の姿もあったし、天界から援軍は到着してるみたい。
覗いてみるとなんとなく今のところはこっちが魔界軍を押してきているように見える。
と、見ていると突然背後からガサガサッと物音がした。
敵っ......!?と思って咄嗟に後ろを振り返ると
「.....あ〜...すまんコンちゃん。俺や」
「.......はぁ〜...良かったきょーさんか...」
そこに居たのは少し申し訳なさそうな顔をしたきょーさんだった。
敵じゃ無かったと一安心した俺はホッと胸を撫で下ろす。
驚かせてすまんかったな.....と言いながらきょーさんは俺の横まで来る。
俺はそれに対して、大丈夫、と返事を返した。
「そうか.....それで、様子はどうや?」
「うーん....ほぼ五分五分って感じかな。油断は禁物だね。まぁおいよさんたちが来てたようだからこっちの援軍は来てるみたいだけど」
「おいよ.....?ってことはべいちゃんも来てるんか!?」
戦況を聞かれ、それを淡々と伝えると、きょーさんはおいよさんが来ている事を知ると途端に目を輝かせ、俺の方へとぐいっと近付く。
きょーさんの口から出てきたのは一番きょーさんが気に入ってるイナズマベイタさんだった。
その迫力に気圧され、き、来てるんじゃない?と、俺が咄嗟に答えれば、きょーさんは「ほんまか!?それはすぐに行かな......」と言い、光の速さのごとくその大きな白い翼で羽ばたいて行った。
べいちゃ〜ん!♡と、半ば叫びながら戦場へ飛び出すきょーさんの姿を俺はただぽかんと見送った。
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私はコンちゃんに言われた通り、木の陰に隠れながらただただジッとそこで待つことしか出来なかった。
震える両手を落ち着かせる様にギュッと握りしめ、どうにか落ち着かせようとする。
私も何かが出来たらいいのだが、でも、きっと私に出来ることは何も無い。
ただ、恐怖に震えることしか出来ない。
体感的には数時間、でも実際は数十分経ったその時。
遠くから響く戦闘音に紛れ、足音が聞こえてきた。
一瞬で体の震えが増すのが分かった。
しかし、
「Aちゃ〜ん?いる〜?」
私を呼ぶその声は何故かとても安心出来るものだった。
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メロディ(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» お久しぶりです〜!ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです〜!2人で頑張りますのでこれからも度々覗いていただければ嬉しいです! (2019年6月18日 17時) (レス) id: a4970b1a29 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 久しぶりに拝見させてもらいました! 表現がとてもきれいで参考になります!頑張って下さい! (2019年6月18日 16時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 雪那々さん» いえいえ!そしてまた今回もよかったです!世界観がしっかり表現されていて凄いです! (2019年5月5日 7時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
雪那々(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» ありがとうございますー!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…! (2019年5月4日 14時) (レス) id: 6aeb77ce64 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 今回の更新もまた素敵でした!表現が綺麗でひきこまれました!ありがとうございました! (2019年5月3日 20時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ、雪那々 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2019年5月3日 14時