Magic 2 ☆ ページ2
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「…女?」
大雨が止んだ、澄んだ空の下。ひとりの少女が傷だらけで倒れている。
身体中びしゃびしゃの彼女の体を見るに、長い間雨に打たれていたことがわかる。
くわえていたタバコを地面に踏みつけ火を消し、彼女が生きているのかを確かめるべく手を伸ばした。
細く白い腕に血の気はないが、脈はまだ残っているみたいだ。
「コンちゃーん!ちょっと来てー!」
「はーい」
白いローブをなびかせてこちらに向かって歩いてくる彼はコンタミ、回復魔法の専門白魔導師。
俺は回復魔法は使えないため、彼にその全てを任せている。
ちょっと走っただけなのに息切れしているコンタミ____コンちゃんは、ふぅとため息をつくと少女の体にそっと触れた。
「……なるほど〜…まぁとりあえず応急処置だね」
「せやな。傷だけでも塞いで、そのあと家運ぼっか」
「そうだね」
そういうと、コンちゃんは杖を彼女に向けて「シャラシャラ」と3回鳴らす。すると、彼女の下に紺色の魔法陣と鮮やかな白い光が現れ、体を包み込んだ。
みるみるうちに傷は消えていく。
「はぁ〜、やっぱコンちゃんすごいわ」
「それほんとに思ってるー?」
「え、本音本音」
「それ絶対思ってないやつじゃーん」
こんな雑談しながら魔法使えるほど集中力高いんやなぁコンちゃん…恐ろしい。
「よーしおっけー!できたよ〜」
「んじゃまぁ、運びますか」
よっこらせっと少女を持ち上げる。しかしその瞬間、ピリッと何かが体に走った。
「…!!」
思わず立ち止まる。
「どうしたの?」
「…いや、なんもない」
なんだったんだろう今の…
____気のせいか。
俺は少女を抱え直し、コンちゃんとともに家へと向かう。
ふと空を見上げると、綺麗な七色の虹が架かっていた。
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メロディ(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» お久しぶりです〜!ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです〜!2人で頑張りますのでこれからも度々覗いていただければ嬉しいです! (2019年6月18日 17時) (レス) id: a4970b1a29 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 久しぶりに拝見させてもらいました! 表現がとてもきれいで参考になります!頑張って下さい! (2019年6月18日 16時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 雪那々さん» いえいえ!そしてまた今回もよかったです!世界観がしっかり表現されていて凄いです! (2019年5月5日 7時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
雪那々(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» ありがとうございますー!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…! (2019年5月4日 14時) (レス) id: 6aeb77ce64 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 今回の更新もまた素敵でした!表現が綺麗でひきこまれました!ありがとうございました! (2019年5月3日 20時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ、雪那々 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2019年5月3日 14時