梅色の声優彼氏さん【梅原裕一郎】

佐藤梅原はデートする後編 ページ22

車で30分くらいのところにある公園での期間限定イルミネーション。
この前テレビで特集されていたらしい。
それだけあって、駐車場から見えるほんの一部のキラキラも綺麗だった。


「すごいねー、駐車場からでも綺麗」



梅原「じゃあ中入るか」



「うん」



イルミネーションは当たり前だが中に入るともっとすごかった。



カラフルな光が夜空を彩っている。



梅原「すごいな」



「ね、すごい」


光のアーチをくぐりながら、


梅原「……A」



「んー？」



梅原「……最近西山とか壮馬くんとか江口さんとかと遊んでること多いよな」



「そうだね、多いかも」



梅原「……俺に飽きてる？」



驚いた。
そんなこと思ってたのか。
たしかに最近は男友達と出かけること多かったけど。



「飽きるわけないって。梅原一筋ですけど何か」


梅原は少し驚いた顔をして、



梅原「そっか、安心した」



と言いながら笑った。



ほっとしてイルミネーション鑑賞に戻ろうとしたが、それは梅原によって止められた。
目の前に梅原の左肩がある。


頭と背中をがっちりホールドされた。




「ちょ、なにしてんの、外だよ？バレたらどうするの…！」





梅原「安心したら力抜けた、しばらくこのままで」






「……あと10秒だけね。10987654321はい終わり」






梅原「早すぎるんだけどw」






「体感時間が違うだけ。いいから離れて」






梅原「そうやっていつも冷たくあしらうから時々我慢できなくなるんだよ」



…




「うるさい、離れろ馬鹿」




梅原の腕の中から逃げ出し、前方の方に走った。



梅原「あ、待てってー」



後ろから小走りで梅原が追ってくる。




この時うるさいと言ったのは梅原に対してではない。






自分の心臓の音に対してだった。

佐藤のおふとんらじお・ゲスト「斉藤壮馬」→←佐藤梅原はデートする前編

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す