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彼はたしかに「河村」そのものだったのだけれど、全てが違っていた。そして、前の世界でも同じようにこの時期の俺と彼は付き合っていなかった
「河村、珈琲いれる?」
「そうだなぁ、お願いします」
「あ、この銘柄の、おいしいよね」
俺は置いてあった珈琲の袋を掲げた。これは彼が好んで飲んでいたメーカーの袋だったし、俺もよく飲んでいた
「そうなの?僕普段飲まないから疎いんですよ」
「そ、…か」
目の前が真っ暗になるようだった。世界が、戻ったのかと思ったけれど、どう考えても彼は以前の彼ではない。つまり
違う世界線に来てしまった?
心做しか、俺の元いた世界よりもよそよそしい彼は珈琲に砂糖を沢山入れて、飲んだ
ーーーー彼は、ブラック一択だったのに
彼なのに、彼ではない。それが俺をさらに酷く混乱させた
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2021年1月7日 14時