パン渡したら懐かれた。【文スト】【太宰治】

#4 ページ4

夢主side







…ほう、青年は太宰君と云うのか。







私は太宰君の肩にぽん、と手を置いた。







『それじゃ太宰君。







…この森の出口って分かる？』







太「え？」





ーーーーーーーー





『っは〜！出れた〜！！』






こうして私達は無事に森から出る事が出来た。








『いやぁ、本当にありがとうだよ太宰君……
このまま森で遭難したらどうしようかと……』





私は太宰君の手を握ってぶんぶんと振る。







太「うん、全然大丈夫





……ところでさ」







『…ん？なになに？』







太宰君は少し黙って私の服を見る。どうしたんだろう。









太「………Aは裏社会で働いてるんだよね？」











『………え』







私はびしりと硬直する。








…硬直したのも、その太宰君の目から「嘘を云っても逃げられない」という圧を感じたからだ。







『…………まぁ……働いてない、と云えば嘘になるね






………どうして分かったの？』






私は少し声を低くしてそう問う。







太「…血と硝煙の匂い。
あと拭いたんだろうけど服に返り血が付いてる」







そう云われて自分が着ているスーツを見ると、僅かながらにも血が付いていた。







『…あちゃ〜…取れてなかったかぁ………』







太「見慣れてるし別に良いよ」








『そっか、見慣れ………





……………ん？』







太「うん？」






あれ…………？？？？







…見慣れてるという事は太宰君もなにかしら裏社会に関わる人間って事では…？






『……えっと因みに………
……太宰君は何処で何して働いてるの…？』








私は「もし敵とか警察だったら首領に怒られるかも知れないな〜めんどくさいな〜」という思考を抱きながら太宰君に質問する。







太「………君と同じ。
私はポートマフィアの幹部だ
そう云えば森さんがよくA君が準幹部にどうたらこうたらってぼやいてたけど君の事だったんだね」








『………………ん？』








「それが何か？」という様にこちらを見る太宰君に私は頭を押さえながら「ちょっと待って」と呟いた。








……え？幹部？





ポートマフィア幹部？え？？






私は最近暇潰しに見たポートマフィア人員リストに誰が載っていたのかを思い出す。







そしてはっとした。





『……まさか………ポートマフィアの最年少幹部って君の事…！？』








太「お〜大正解。
え？もしかして今知ったの？」






『ごめん……首領がなんか言ってた気はするけど首領の話は聞かないタチで……』






太「うん気持ちは分かるけどさ」

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