とある東京の学校にて 8 【梟谷編】 ページ10
小 ｢まぁ…それよりもよく親許してくれたよな｣
猿 ｢前に両親は共働きで忙しいって言ってたけど…もしかして一人暮らしするの？｣
鷲 ｢さすがに一人暮らしは危ないだろ｣
｢それは心配いらへんよ｣
赤 ｢なんで｣
赤葦…おまえ顔めっちゃ怖いよ、とか思ったけどあえて口にはしなかった
なんせ次突っ込んでしまったらきっと赤葦はなんも声を発さずにあの冷めきった目で俺を睨むに違ない
一個下の後輩にこんなビビるなんて正直情けねぇけど…
｢木葉さん？｣
猿 ｢いいよほっといて｣
木 ｢……｣
猿杙…おまえの優しさが目にしみるわ
･
｢僕の両親にそのこと話たら速攻でおっけー貰えたん。信ちゃんに僕を預ければ安心や言うてな。少しは大人になって帰って来るかも言うて！｣
さすが信ちゃんやなぁ、とデレッデレした顔で口元を緩ますAに｢おまえ両親にとんでもねぇこと言われてんぞ！？｣｢信ちゃんって一体何者なの！？｣｢逆に見てみたいよ！｣などと部員たちは口を開こうとしたが、ぐっと飲み込んだ
…だってこいつは馬鹿だから
きっとなにを言っても｢え？｣と頭上に疑問符を浮かばせるだけだ…ほんとかなりの阿呆だけどそれもまた可愛いぞ！
てかこの頭でよく転入試験受かったな…
木 ｢おまえの頭でよく合格貰えたな｣
｢愛は世界を救うねん｣
木 ｢やかましい｣
｢へへっ｣
木 ｢いや笑えねぇから…｣
呆れた顔でAに突っ込めば、さっきまで照れたように笑っていたAの顔がだんだんと急に曇り出す…あれ、どうした
｢ほな真剣に聞くけど…｣
僕が大学なんて行けると思うか…と消え入りそうな声で俺たちから目を逸らすAに俺たちは (は…っ！！)と口元を手で抑え込んだ
((( 絶対無理っ )))
きっと部員一同がそう心の中で思ったであろう
今でさえ高校の勉強についていけてないこの天然記念物はきっと大学に行けたとしても無理、。
中退するオチだ…
そう遠い目をしながらAを見つめていると、俺はん、？とあることに気がついた
そう言えば___
赤葦は？
信ちゃんと同じ学校に通いたいがために勝手に転入試験を受けて合格して突然バイバイだなんて…この男が黙っていられるわけないだろう
俺たちよりも長い時間を一緒に過ごしてきて…大好きな人で、今までずっと大事にしてきたんだ…納得するわけねぇよ！
そんなことを思いながら赤葦に視線を向ければ、何とも言えない顔でAをじっと見つめていた。
赤 ｢…｣
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作者名：ふわ リ | 作成日時：2019年2月8日 1時
