北さんの誘拐騒動は俺達の勘違いやった【北信介】 (ページ7)

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とある東京の学校にて 5 【梟谷編】ページ7

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そして、時は流れ1年後。

春高も終わり、残っていた先輩たちも皆引退して、俺たちにバトンが渡された。

そして次の主将は木兎になったのだ

兎｢へいへいへーい！俺達の代で革命という名の風を巻き起こそうぜっ！｣

皆｢…｣

は？革命という名の風…？

何言ってんの？

先輩…本当にあれが主将なんですか？これは夢とかドッキリとか…

後輩よ、目の前で起こっていることはすべて現実だ

皆｢…｣

…え、どうしよう、。

不安という名の風が巻き起こるきがしてしょうがない…っ

当時こいつが主将で本当に大丈夫…？、先輩たちやコーチはちゃんと考えたの…？など、思うことは沢山あった1年前…それでもなんやかんやで今は木兎が主将でよかったなって思う。

俺達が心折れかけそうになったときは、1人だけなんか元気だし…でもそれをみてるとなんか元気が貰えて、よし！頑張ろうって気持ちになる

まぁしょぼくれモードになったときはかなり面倒いけど…

それに副主将は皆が頼りにしてるあの赤葦だし、まぁ大丈夫、俺らの代もなんとかなるだろうと思っていた。

が、その一週間後___

｢…いきなりなんやけど今年の春から兵庫の学校に転入することになりました｣

皆｢…え｣

ごめんな、みんな…と言って深々と頭を下げるAに周りにいた部員たちはぴしり、と固まった。

だがこのとき、俺達レギュラー陣もずっと不審に思っていた、“ あること „ に気がつかされたのだ。

(今日の練習のとき赤葦が元気なかったのってもしかしてこれのせいか…っ！？)

片付けも終わり、整列してあいさつを済ませたあと
突然Aが｢みんなに伝えたいことがあるんやけど｣
と、大人しく黙っていればこの爆弾発言。

ガコン、と持っていたシューズを落とす音がちらほら聞こえて、相当部員たちも今の発言で動揺している。

もちろんいきなりのことに俺もかなり驚いた、けど

それでも俺達より一番重症なのは____

赤｢……｣

おまえだろ、赤葦…っ

多分俺達よりも前に聞かされてたであろう赤葦だが、Aが兵庫に帰ってしまう、ということを本人からまた突きつけられてしまい、さっきまで木兎と話していた赤葦は突然無言になった。

今はこうして表情を表に出さず、ただAのことを見つめている。

だが、さっきシューズを脱ぐためにきつく結んでいた紐を緩めていたのにもかかわらず、手際よくまたキュッと強く結び直していた。

皆｢……｣

あの赤葦が動揺してる…っ