とある東京の学校にて 1 【梟谷編】 ページ3
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兎 「あかあーし!!俺にトス上げてくれっ!!」
この常々変わらない練習風景
いつものように木兎がへいへいへーい!と馬鹿でかい声を上げながら赤葦にトスを強請る
赤 「木兎さん」
フワリ、と赤葦がそれに応えるように木兎が好きな高さのトスを上げた…が
しかし____
木兎がいつも打つトスとは遥かにかけ離れたボールがビュンッ!と木兎の頭上に飛んでゆき、おもいっきり空振りしたあと、木兎はストン、と床に着地した
兎 「おいおい、どうしたんだよ赤葦ッ!今日のおまえ調子悪すぎじゃねぇかっ!!」
赤 「……すみません、少しぼんやりしてました。もう一度お願いします」
部員 「…」
いやいやっおまえのそのセリフ今日で10回目だって…っ!
いつもの精密なトスは一体どこに行ってしまったのやら…ここまで赤葦がぶっ壊れてしまうとさすがの頼れる部員たちもかなり頭を悩ませた
赤葦がこうなってしまったのは1ヶ月前に遡る…
__1ヶ月前
このときの赤葦は本当に至って普通だった
厳しい練習をソツなくこなし、いつものように正確なトスを皆に上げ、曲者たち相手に頑張ってきた
勉強に部活、そしてクッソ疲れるわがままなエース様の面倒…を日課でこなす赤葦は疲労がかなり溜まっている
そんな可哀想な赤葦だが、部活が終わり、部室で着替えてる頃…ぴーひゃらぴーひゃら、とメールの着信音が鳴った瞬間、目にも止まらぬ早さで赤葦はスマホを取り画面を開くのだ
小 「これはもしやまる…いや、そんなことより…なんだあの赤葦の反応は」
猿 「もしかして彼女とか?」
木 「おいおい赤葦っいつの間に彼女なんかつくったんだよ!しかも俺達に内緒で…!おまえにはここにでかい彼女がいるじゃねぇか…っ!」
この浮気者がっ!!、と突っ込んでくる木葉と「え、それ俺のこと?」と自分の頬を両手で包み込み、ポッと顔を赤くさせるノリのいい木兎に部員たちは大爆笑である。
だが、次の瞬間バキィっと不吉な音がして、3年レギュラー組は「え、?」「なんの音?」と首を傾げる中、とりあえずその音の方に視線を向ければ、赤葦が持っているスマホに小さくヒビが入っていた
3年組 「「!?!?」」
フゥ…と自分を落ち着かせるために息をはく赤葦に3年レギュラー陣はビクリと肩を震わせる。
赤 「…俺の唯一幸せな時間を取らないでください」
ゴォオ…と禍々しいオーラを放ちながら容赦なく睨む赤葦に3年レギュラー組は怖さ通り越し、スン…と真顔になった
とある東京の学校にて 2 【梟谷編】→←あれから3ヶ月がすぎた夏の昼下がり
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作者名:ふわ リ | 作成日時:2019年2月8日 1時