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あれから3ヶ月がすぎた夏の昼下がり ページ2




7月上旬_____


Aが転校してきて早くも、3ヶ月が経った。


こってりと北にしごかれた期末テストはなんとか平均点以上の点数をとり、赤点を免れた。


問 1、1215年 モンゴル帝国生まれで帝国創始者の孫の名前は?

Aの回答 エビ ・ フライ ・ ハン

正解 フビライ ・ ハン


…という馬鹿な回答をしてしまうほどAの頭の中はお花畑で埋め尽くされている。そんなちゃらんぽらんの天然記念物に北は1ヶ月前から期末テスト対策をAのために取り組んでいた。

そして勉強が苦手なAは血反吐を吐きながら(吐いてません、嘘です)必死に北の出す課題をこなしていったのである。

そして、Aはなんとか北のおかげで赤点を免れたというわけだ。

大きな大会も、辛かった期末テストも終わり、あとは夏休みまっしぐらや、とAはるんるんでクッキーを頬張りながら、浮かれていた。

今年の夏は信ちゃんとどこに行こう

夏と言ったらプール、花火、お祭りに…りんご飴、焼きそば、たこ焼き…と最後の方は食べ物しか思い浮かばなかったが、Aの頭の中は楽しみでいっぱいだった。

(せやけどまぁ、最近忙しくって家でゆっくり出来へんかったし、ずっと家でゴロゴロと菓子食うて寝とるだけでも最高やなぁ…)

うへへ…とクッキーを頬張りながらニヤニヤしている主人公。かなり主人公とはあるまじき顔をしていたが、そこは見なかったことにしておこう。


北 「なぁA」

「なぁに信ちゃん」

ブォオと煩く扇風機のプロペラが回る中、北が静かにAに声を掛けた。


北 「稲荷崎の制服はどないしたん」

「あぁ、届いてるで」

北 「なんで着ぃひんの」

「そ、それは…い、いつか取りに行くか…「は?」


取りにいく?何言うてんのと言いたげな顔でAを見つめる北に、Aはポト…と持っていたクッキーを落とした。

「…と、東京に」

北 「?」

「送り先間違えて東京に送ってしもうたん…っ」

ゴクリ、と食べていたクッキーを飲み込み、そぉと部屋(避難所)に帰ろうとしたAの肩をすぐさま北が掴んだ。


北 「…今週の休み、実家戻って制服取りに行ってこい」


「…ウッス」


超絶冷めた北の声に、ビクリと身体が大袈裟に震えた。

北 「そしてもうひとつ、クッキーを食う時はテーブルの上でって言うてるやろ」


……あとでちゃんとコロコロせぇよ、


「ハ、ハイ…」



急遽、今週の休みにAは久しぶりに東京の実家に帰省することになった。

とある東京の学校にて 1 【梟谷編】→←設定 2



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設定タグ:赤葦京治 , ハイキュー , 北信介   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ふわ リ | 作成日時:2019年2月8日 1時

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