北さんが他校の女子を誘拐してきおった【北信介】 (ページ44)

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治事変【治side】19 ページ44

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AM 6 : 15

治｢ほな、行ってくる｣

母｢今日は随分早いなぁ、おにぎり10個で足りる？｣

治｢んー多分足りる、こんな朝っぱらから作らしてしもてごめん｣

母｢それは別にかまへんけど…侑は？｣

治｢あいつはいつもの時間に家出ると思うで｣

母｢了解、まだ外は真っ暗やから気ぃつけてな｣

そう、オカンが｢行ってらっしゃい｣と俺に手を振り、俺も｢ん、行ってくる｣と軽く手を振って家を出た。

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治｢…ほんまや、まだ真っ暗やなぁ｣

目がいつも以上にしょぼしょぼする中、ふぁ、と今朝起きてから何度目かの欠伸をして、小走りで学校を目指した。

治｢……｣

それにしてもまだイライラする…モリモリのプッツンプリン3個食うても、このイライラは全然治まらへんな。

きっと、モリモリのプッツンプリン＜プレミアム＞やったらこのイライラもきっと治まるのに…

せやけど、あのプレミアムがついたプリンはノーマルの4倍の価格。

俺の少ないお小遣いじゃ決して買えへん品物や

はじめて食うたプレミアムプッツンプリンのこと、今でもよう覚えとるわ____

あのとろける舌触りと、上品な甘さ。そしてええ感じのカラメルの苦みと、口の中に入れただけで一瞬でなくなってしまう、モリモリ社の本気を見せた最高級のプリン。値段がノーマルの4倍ていうのもなんとなく納得できる。

あれはほんまに絶品物____

思い出しただけでヨダレが……ってあかん！

今はプッツンプリンよりも、はよ体育館に行ってあの女の正体を暴かんと、！

あの女が毎日何時頃に家を出るか知らんけど

……こんなに早う出れば余裕やろ

いや、むしろ俺が一番乗りかもしれへんしなぁ

そんなことをぼんやりと思いながら、俺は走って体育館に向かった。

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治｢…え、うそ｣

体育館に明かりがついとるやと…？

学校に着き、裏から回って体育館の方まで歩くと、真っ暗やと思うてた体育館は黄色い明かりがパァとついとった。

は、あいつくんのめちゃ早ないか、？

いやでも、もしかしたら北さんかもしれへんし…ちょいと覗いてみよ

少し開いてある体育館のドアからひょっこりと顔を覗かせてみれば、自分の目を疑いたくなるような出来事に目を丸くさせた。

治｢……っ！｣

いつも遅刻しぃひんようにはよきて寝とるだけやって思うてたのに____

俺の予想してたことと全然ちゃうやんか。