北さんが他校の女子を誘拐してきおった【北信介】 (ページ42)

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治事変【角名side】17 ページ42

そこにいたのはいつもの無表情はどこへ行ったのやら…めっちゃ不機嫌で怒りを顕にした北さんがあの双子の目に映っているだろう

今までの経験上、おまえらならわかるだろ

あれは今まで以上に最大の怒りを顕にした北さんだと…
北さんの場合、怒りが頂点に達したとき、きっと無言になるタイプだ

そして北さんは無言の黒いオーラを放ち、声を一切発さずに、チッと背筋が凍るような舌打ちをするもんだからめちゃくちゃに怖い。むしろホラーに近い

北さんがこんなにも怒りを顕にするのは皆もなんとなくわかるはずだ。北さんはこのくせ者集団の主将になったばかりで、仕事も沢山あるのにもかかわらず、あの問題児たちの面倒をみてる。毎日、多忙な日々を送っているのだ

おまけに最近はいとこのAが転校してきて、鬱陶しい悪い虫(侑)の目にとまってしまい、毎日それを駆除するのに忙しい。本当にお疲れ様です。

角｢北さんをあまり怒らすことすんなよな｣

侑 / 治｢｢…ウッス｣｣

ほら早く謝罪してこい、と言った瞬間双子たちはびくり、と固まった。

侑｢ちょ、まってくれ角名｣

角｢なに、早く言ってこいよ｣

治｢さすがにあの北さんは近寄りがたいわ、。｣

角｢は、なにいってんの？｣

いいから早く行ってこいっと口を開けた瞬間、｢おい｣といきなり冷めた口調で声を上げる北さんにビクリ、と目の前の馬鹿共は大袈裟に肩を震わせた。

治｢は、はいっ！｣

侑｢な、なんでショウカ、！北サンっ｣

ドキ、ドキと無駄に心臓がはねる中、双子たちはゴクリ、と息を呑む。

北｢もう、茶番は終わったんか｣

びっくりするほど通常な北さんの声に双子や、ここにいた部員たちも、えっ？と目を丸くさせた。

侑 / 治｢う、ウッス、！｣

すんませんした北サンっ！とバッと効果音が付きそうなほど深々とお辞儀をする双子たちに北さんは無言で双子のツムジをじっと見つめたあと、人差し指でグリッとツムジを押した。

侑 / 治｢｢い…っ！！｣｣

皆｢｢！？！？！？｣｣

尾 (ぶ、物理やと…！？)
赤 (やっぱし相当怒っとったんや、。)
大 (せやけどみてみ、心做しか北の顔が晴れやかになった気ぃする…)
尾 (信介の怒りがそれで治まったんならそれでオールオッケーや、。)

角｢先輩たち丸聞こえッスよ｣

3年｢｢あ、。｣｣

北｢次またこうなってしもうたら…わかっとるんやろな｣

侑 / 治｢｢ハイ…ッ｣｣

角｢……｣

尾｢…今日のMVPはおまえやぞ｣

角｢あざっす｣