治 事変 【治side】4 ページ29
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角 「治、なにビビらせてんだよ。怖がってんじゃん」
治 「角名」
一限が終わり、10分休み。
休み時間をいい事に、少し興味のある転校生に声をかけてみれば、ビクリと大袈裟に身体を震わせる。相当ビビりのようだ。
「……」
治 「……」
あかん…いじめたなる、。
と、心の中で思っている時、角名が俺に声をかけてきた。
いつもだったら10分休みの時は、机に突っ伏して目を絶妙に開け、眠ってる。
なんだかんだ言うて角名はまじめやから、授業中は重い瞼を無理やりこじ開けて、授業をしっかり受けてる。俺はもちろん爆睡やけど。
せやけど、珍しく俺の席に来たってことは、このツッコミどころ満載な転校生が相当気になったんだろう。
治 「別に怖がらせてへんよ、ただ名前聞いとるだけ」
角 「何言ってんだよ、目の前で見てると尋問感はんぱない」
それにおまえ顔ニヤついてて気持ち悪い。と若干引き気味で距離を置かれる。
治 「やってこの子の反応おもろいんやもん。」
角 「変態かよ」
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角 「…なぁ治」
治 「あぁ、ほんまになんも喋らんな」
つんつん、とお面を突っつくが全然微動だにしない。
むしろホラーに近い。
治 「…せやけど珍しいよなぁ、2年から編入してくるなんて。」
角 「たしかにな、親の転勤じゃないらしいし。しかも一人で兵庫に来たみたい」
治 「は?なんで角名がそこまで知ってんねん」
角 「自己紹介のとき先生が言ってただろ。まぁ、そのとき治は早弁してたから聞いてなかったかもだけど」
そうジト目で言ってくる角名に、あぁ…そう言えば、。と目線をずらし言葉を濁しながら遠くを見つめる。
まったく聞いてへんかったわ、。
治 「じゃなに、誰かに会いに来たってこと?」
角 「そうじゃない?」
治 「これまた少女漫画みたいな展開やなぁ…あ、もしかしてここの学校の人とか?」
なぁ、どうなん?とお面をまた突っつけば、角名が嫌がってる(多分)からやめとけ。と額を人差し指で弾かれる。
治 「…おい、角名っ!おまえ手加減ちゅう言葉をしらんのか、!」
角 「いつも全力で生きてますから」
意味わからんわっ!!と角名に倍返しでお見舞いしてやろうと思ったとき、ぼそっとなにかくぐもった声が聞こえた。
角 「なんか今聞こえなかったか?」
治 「あぁ、なんか今聞こえて、。」
もう一度耳を澄ましてみると、その声は鮮明に俺達の耳の中に入った。
角 / 治 「「…しんちゃん、?」」
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作者名:ふわ リ | 作成日時:2018年12月21日 0時