俺たちのマネージャー事情 4 ページ24
北 「A、こんなとこで寝むっとったら風邪引いてしまうで」
そう言いながら、北がAの背中を揺するが、まったく起きようとしない。
すぅ、と寝息を立てながら、それはそれは気持ちよさそうに眠っている。
尾 「こんなに信介が揺さぶっとるのにぐっすりやなぁ」
角 「身体痛めそうですね」
治 「ほんまによくこんな硬いとこで寝れるな、この子」
赤 「有馬さん、入部してから毎日皆より早う来てんな」
大 「何時起きなんやろ…」
なぁ北、おまえなら知ってるんとちゃうか、と聞いてくる大耳に少し間を置いてから北は「…知らんな」と返す。
Aが入部してから四日が経った。
前の学校でマネの仕事をしていた割には、あまり仕事は出来ていない。
だが、一生懸命マネの仕事はやっているし、気が利くこともある。そしてなんと言っても、Aがその場にいるだけで和むのだ。
キツイ練習でもAを見ているだけで疲れが飛ぶらしい。そのせいで監督に怒られることが多々あるとか。ないとか。
だが、一番の問題は朝、誰よりも早く体育館に来ることだ。
あの毎朝一番乗りに来る北よりも早い。
何時に朝体育館に来ているか分からないが、こうして皆が来る頃には体育館のどっかで眠っている。
今日はうつ伏せだったか、昨日の朝は体育館倉庫のマットの上に眠っていた。
それを一番に見つけた侑は、「ちゅーすれば起きるんとちゃうか?」と閃いて、速攻自分の顔をAに寄せようとしたとき、それをたまたま目撃してしまったアランが容赦なく侑の頭を叩いた。
それがもうかれこれ三日も続いている。
治 「…寝に来てるんとちゃうか。遅れへんように」
ほんまにこの子なにしにこんな朝っぱらからきてんねん。
ポツリ、と誰にも聞こえないように治は小さい声で言えば、ぱちり、とたまたま北と目が合った。
あ、やば。
北 「治、エラいAに突っかかっとるけど、なんかあったんか」
治 「…別に」
北 「嘘や」
治 「……気に食わんだけ、です。俺あの子見とるとなんかイラッときてしもうて、正直苦手です。」
北 「…そうか。せやけど、俺は治とAめっちゃ仲良なれる思うけどな」
治 「…は、?」
北さん俺の話聞いてました…?
目を丸くさせながら見れば、北は治から目を離してAに視線を落とした。
北 「今日の昼飯はハンバーグやで」
ぽそり、とAの耳元で囁けば…ハンバーグと小さく声をもらして、薄らと目を開けた。
尾 「さすが信介……」
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作者名:ふわ リ | 作成日時:2018年12月21日 0時