俺たちの主将は無罪だった 9 ページ20
･
北 ｢ほら、はよしぃひんと見回りの先生が来るで。さっさと片付けて帰ろうや｣
パンパンと北が手を叩いて皆に声掛けすれば、｢あ、もうこんな時間かっ｣｢あかん、見回りの藤森先生めっちゃ怖いで｣｢急いで片付けよっ！｣と侑たちを囲んでいた部員たちは慌てて片付けに戻った。
･
･
北 ｢なぁ、侑｣
侑 ｢な、なんでショウカ、北サン、。｣
いきなり北に引き留められた侑はビクリ、と肩を震わせて恐る恐る振り返る。
さっきの事があったばかりで北と話すのがかなり怖い侑は名前を急に呼ばれていつも以上に心臓が(怖い意味で)変にドキつく。
北に至ってはいつも通りの無表情だが、北の周りを漂う空気がなんだかいつも以上にピリついている。
あ、怒ってるかも、。
北 ｢おまえ本気で言ったんか｣
侑 ｢ほ、本気の本気ですよっ！これがふざけて…｢見えてるから聞いてんねん。｣
冷静で突っ込んでくる北に、侑は｢ほんまですって！一目惚れしてしもうたんです！｣と負けじと言えば、北の瞳が疑っているかのように細められる。
侑 ｢……｣
日頃の俺よ…北さんにどないな目で見られてるねん、。
俺、もしかしたらほんまに信用されてへんのかも…
地味に凹んでいると、少し黙っていた北の口からポロリ、と小さい声で言われた。
北 ｢あいつはおまえじゃ見きれへんで｣
侑 ｢え、｣
なんのことですか、と返そうとしたとき、北は体育館に飾ってある時計をみて｢あかん、もうこんな時間か。はよ撤収しぃひんとな｣と小さな声でぼやく。
北 ｢侑、引き止めてごめんな、残りの片付け急ぐで。｣
侑 ｢…あ、はい｣
最後の言葉の意味がわからないまま北の横を通り過ぎようとしたとき、ポツ、と北が侑にしか聞こえない小さな声で呟いた。
北 ｢___________｣
侑 ｢……っ！｣
目を丸くさせて、バッと後ろを振り返ったときにはパイプ椅子を4つ重そうに持っているAに、さりげなく3つ、北さんがパイプ椅子を奪い取るシーンが目に入った。
もしかして、北さんも____
侑 ｢……俺とんでもない人を敵に回してしもうたかも｣
若干口元に笑みを浮かばせて、あのとき北さんが言った言葉を頭の中で思い出しながら、残りの少ないパイプ椅子を片付けに向かった。
“ おまえみたいな輩にAは絶対渡さへんで „
俺たちのマネージャー事情 1→←俺たちの主将は無罪だった 8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわ リ | 作成日時：2018年12月21日 0時
