26.恋もした、喧嘩もした、笑い合いもした、互いを互いが幸せにした、これが夫婦だと気づいた。 ページ26
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『…智くん。』
智『ん？』
『大好き。』
智『ふふ、俺は愛してるけどね』
『ずるい！私も愛してる！』
智『なにを張り合ってるんだか。』笑
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雪が降ってた。
確か、Aは雪が好きだと冬が好きだと言った。
なのに、寒がりだとか。
矛盾してる、って思ったのは俺だけではないはず。
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『…！最低っ！』
智『最低も何も、こんなキスマークつけられた覚えねぇし』
『またそうやってとぼけて！私をおバカ扱いでもする気！？』
智『バカ扱いなんてしてね』
『もういい！』
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飲み会終わりに家に帰ると、ソファーに縮こまってみかんをひとりで食べてるAのもとに擦り寄ったら
女の人の香水だのなんだの言い出して、
いきなりスーツ脱がして、ワイシャツをじーっと見て
…その目を見たら、いきなり潤み始めるから
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どうした？って声をかけたら
最低。と呟くように言い放って
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「こっちは静かに待ってたんだよ！」
智「…はぁ？」
「ナニコレ！」
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あとから調べてみれば、一つ上の女がつけてったやつらしい。
俺はムダに強い酒を飲まされ飲まされ、
記憶がほとんどなかったらしい。
仕事では指輪をつけてないから、その女はいいんじゃないかって思ったらしい。
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『そういうことなら仕方ないってならないからね…』
智『…ごめん、不注意が原因でした』
『うん、それについては許す。私もそこまで鬼じゃない』
智『…』
『だから、これからは仕事場にも指輪つけてって。』
智『…え？』
『だって、相手がいるってこと示してくれないと困るよ…』
智『…』
『結婚してるってこと、智くんには私がいるってこと証明してくれないと…』
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きゅ…と右手で左手の薬指を握る。
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…そんな情景が今になってぶわ…っと走馬灯のように流れ込む。
…あぁ……。
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『わ、料理うまい』
智『どーもです』
『でも私には及ばないなあ』
智『んだと？』
『ふふふ』
智『じゃあ今度翔ちゃんと咲花ちゃん連れてきてオムライス対決でもすっか？』
『私の得意料理で勝負なんて随分と余裕があるんだねー』
智『…なんでさっきからラスボス感出してんの？』笑
『いや、なんか楽しくなっちゃって』笑
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キッチンで、
二人きりで、
笑いあって、
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年12月7日 20時
