17.手ぇつなごうよ ページ17
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「メリークリスマス！」
智「…はいはい」
「今日はイエス・キリストの誕生日です！」
智「俺らはキリスト教の信者かよ」
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今年は例年に比べて寒く、外は雪が降っている。
割とオシャレなお店の個室1室を俺が奮発して、前々から予約していた。
クリスマスはここで食事をするということを話したら、飛び跳ねて喜んだから心が和んだ。
…ようやく、今日がクリスマスの日。
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ふたりで談笑しながら、豪華な食べ物を平らげる。
…伝票を見て唖然としたのはいい思い出。
Aにはお金を微塵も払わせる気は無いから静かに会計を済ませといた。
…ほら、値段聞いたらあの子は払うじゃん？
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建物から出ると雪が体に少し当たる。
俺のコートとAのコートに白い塊がつくのをみて、Aのを先にその塊を払う。
俺らは傘を差して街を歩く。
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美味しかった〜〜と夜空に向かって叫ぶきみを後ろで見つめる。
ねえA。と呼べば、なーにー？って言いながら赤い傘を振り回して振り返る。
その笑顔に向けて、ひとつ言葉をきみに送る。
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ーーーーーー…俺ンチ来る？
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行きたい！！
って満面の笑みが返ってくるから、手を差し出す。
え？って困った顔に「手ぇつなごうよ」って言えば顔を少し赤くして俺の手を小さな手で握る。
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その小さな手は、冷たいようで温かくて
…その小さな温かさに泣きそうになったのは内緒だ。
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「…あーお腹いっぱい」
智「それ何回目だよ」笑
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ありがとね！こんなに美味しいもの食べさせてもらって！
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ニコニコ笑顔で、ソファーに寝そべってるA。
…いや別に寝っ転がってることに嫌気は差さないよ？
恋人だし、こんなのは許容範囲内だと俺は思う。
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智「ねえ、」
「…んー？」
智「…俺もオトコだよ？」
「え？」
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体を起こそうとしてるA。
でもお腹がいっぱいで体が鈍いのかなかなか起き上がれないよう。
…よいしょよいしょと上がろうとしている腕を引っぱって自分の方に引き寄せる。
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「…っ」
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言葉を失くすきみを一番に至近距離で見つめて、
そのまま空いた手で髪を撫でる。
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好きだよ。
大好きだよ。
愛してるよ。
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18.1分間のキスシーン→←16.好き？嫌い？...ううん大好き。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年12月7日 20時
