【APヘタリア】お国さんと世界会議【短編集】 (ページ18)

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未練たらっしい【アーサー】ページ18

午前2時。このド深夜に元カレのアーサーから連絡があった。
どうやら話があるらしく、近くの公園に来てほしいとのこと。
話なんてこの2週間前につけたはず
それなのに連絡……。

｢未練たらしい……」

私はとりあえず近くにあった上着を羽織り家を出た。
大体、こんな深夜に女性、一人を歩かせる男がどこに居るの。
ほんと嫌な奴。
アイツの顔なんてこの2週間見たくなくて、視界に入れないようにやり過ごしてた。
だって元カレのアーサーの顔見ると別れ際の事思い出しちゃうもん。

別れ際の未練たらしい私の泣きざま。

なんで、どうして？私が悪いの？って泣いて泣き腫らして、その時のアーサーの無言なんて最高に最悪。
だから顔すらも見たくないし、思い出したくないわ。
でも……
それなのにあいつは私に話があるなんて言って連絡してくる。
何よ。何なのよ

忘れさせてよ。

頭の中でアーサーの事ばかり考えていたら約束の公園に着いた。

入ってみたらベンチで座ってスマホを弄るアーサーが居た。
私はアーサーに近づき｢こんな深夜に呼び出してなんかよう？」と問いかけた。

アーサーはスマホから目を逸らし私の顔を見つめ｢A……」と呟く。
アーサーの顔は酷く元気がない表情をしていた。

そんな表情を見て私はなんて思う？
なんであんたがそんな顔してるのよって思っちゃうし呟いてしまいそう。

なんて思っていても、静寂なままで喋らないアーサーに私はしびれを切らし問いかけた。

｢……あのさ、今更元カノである私をこんな誰も居ない公園に呼んで何がしたい訳？」
その言葉にアーサーは顔を逸らして｢それは……」と呟く。

｢はっ……まさかとは思わないけど今更やっぱり付き合おうなんて言わないわよね？」

アーサーはその言葉で顔を上げて見つめる。
まるで一筋の光を望んでるような顔をして。

｢まさか……嘘でしょ？」
｢いや、嘘じゃない」
｢だって……アーサー、あんた自分で別れてほしいって…」

その無言のまま私の顔を見つめる。
「……何なのよ！」
私の事を突き放すように別れたってのに……。
でも心の何処かで寄りを戻すことができると思っている私がいる。

「A……」
「何？……はっきり言ってくれるかしら？」
「また……もう一度やり直そう」

あーあ……。
その言葉に涙が出そうになる。
そんな憐れな涙を拭い私は「いいよ……」と呟く。
アーサーは安堵し立ち上がり、私を強く抱き締めた。

本当私とアンタは未練たらしい

終わり