検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,236 hit

記憶4 ページ4

「それで話って...?」
「嗚呼、さっき俺が勘違いした相手の話をしたいんだ」
「どうして、私に?」
「似てるんだ」
「似てる?」
「そう、君の全てが」
「そうですか...」

私の事を言ってるのが解る
私がまた記憶喪失になったとでも思っているのだろうか
まぁ、無理もないと思う
私が逆の立場だったら、そう思う可能性がある

「そいつは、俺が愛した女性で、前は恋仲だったんだ」

中也はぽつぽつと昔の出来事を話していく
私が他人行事な相槌を打ちながら、話は進んでいく
とっくに5分を過ぎていて、坂口さんとの約束の時間を過ぎてしまいそうだが、今は話を中断したくない思いで一杯だった


「俺の所為で彼奴は死んだ」

そう彼が言った瞬間、思わず、「貴方の所為ではない」と言う言葉が喉まで出かかった

「俺はそいつの事を、今でも愛してるんだ
手前ェに言ったところで何も変わらないんだけどな」

って軽く笑った彼の目に悲しみが混じったように感じた
胸が痛い

いっその事、全てを打ち明けてしまいたい衝動に駆られる
それを抑える為に、この場を直ぐに離れたかった

「あ!すみません、時間が過ぎてしまいました。失礼します。お話有難う御座いました」
「こっちこそ、引き留めて悪かった。じゃあな」
「はい」

「――――」

私は異能特務課へと向かった
走っていた所為か、風の音の所為か
はたや、中也の事で頭が一杯だったのか
彼が最後に言った言葉は、私の耳には入ってこなかった


✽+†+✽――✽+†+✽
「A愛してる」
と直接彼女に言ったがきっと届いていなかっただろう

敢えて恋仲だった頃の話を彼女に話した
その反応次第で、記憶喪失なのか、そうでないかが解ると思ったが
やはり一筋縄ではいかない

だが、死んだ筈の彼女が生きていた
その事が分かっただけで十分だ

面白くなってきたじゃねェか!

俺は口角を少し上げ、彼女が走って行った方向とは逆の方向へと去った

記憶5→←記憶3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 碧椛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:碧椛 | 作者ホームページ:http://*  
作成日時:2019年2月14日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。