記憶3 ページ3
今日は久しぶりの外出できる日だ
雲一つない快晴
とても清々しい
買い物をしようと外に出たのは良いが、坂口さんから電話が来て、「異能特務課に来てほしい」と言われ、急遽行く事が決まった
「A……!!」-
え...
どうしてここに中也が!?
ずっと会いたかった
その彼が今目の前に居る
けど、異能特務課の皆さん(上層部の方だけだが)或る事を約束した
それは私の身を守る為でもあるが、混乱を避ける為でもある
それは、決して知り合いにあっても関わってはいけない
知らないふりをする
という事だった
死んだ筈の人が生きていると知られれば、何かしら事が起こってしまうのは頷ける
その対処をするのも当然だ
あぁ、神様は意地悪だ
一番会いたいと思っていた人に会わせてくれたことは嬉しいのに、昔のように話させてはくれない
けど、元気そうでなによりだと切実に思う
手紙はしっかりと彼によって発見されたようだ
(元々、彼の
元気そうな彼を見て、口元が綻ぶのをなんとか抑え返事をする
「どちら様でしょうか?」
勿論、あたかも他人のように接する
助けてくれた、異能特務課の皆さんを裏切る訳にはいかない
「あの...」
「すまん、人違いだったみたいだ」
「そうですか」
自分から他人扱いをしたのに、彼からさせると妙に傷つく
だが、彼も私にされて、堪える部分もあると思う
申し訳なさが、私の心に広がる
しかし、彼の表情は悲しいと言うよりも、心の底から『会えて嬉しい』と物語っている表情をしている
そんな事を思いつつ、ふと時計を見ると
「では、失礼しm「待ってくれ」え?」
「少し話せないか?」
「すみません、急いでるので」
「少しだけ、話聞くだけだ、良いだろ?な?」
何故か食い下がらない中也
はて...
「えっと、5分以内だったら…」
こんな中也は珍しい
だから、少しだけ...
話を聞きたいという私の我儘を許してほしい
この先、聞いた事を後悔するより、聞かなかった事に対して後悔はしたくない
そう、ふと思った
「有難な」
「それ以上は無理です」
「分かった」
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